- 2026.01.28
JTBは、2026年(1月〜12月)の旅行動向見通しをまとめ、今年1年間の日本人総旅行人数が延べ3億2,250万人(前年比98%)と推移する見込みを示し、前年からは微減だが2019年実績推計(3億1,178万人)を上回る水準に置かれている。人数が大幅に増加しない一方で、国内・海外ともに平均費用は上昇が続く見通し。旅を「やめる」のではなく、予算と内容を調整しながら「旅を続ける」動きがデータから浮かぶ。この旅行動向は、「1泊以上の日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)」を対象に、経済指標や消費者行動調査、運輸・観光関連データなどから推計したもので、1981年から継続している。
国内旅行は、旅行人数が3億700万人(前年比97.8%)と小幅に減る一方、平均費用は5万2,900円(同102.9%)と上昇が続く見込みである。総国内旅行消費額は16兆2,300億円(同100.6%)と、人数が伸び悩んでも金額は高水準を保つ推計となった。国内旅行費用は「自宅を出発してから帰宅するまでの総費用」で、現地での買物や食事などの消費を含む一方、旅行前後の買い物(衣類など携行品の購入費用など)は含まない。
日本人旅行者にとって重要なのは、同じ旅程でも「旅の中で支払う総額」が上がりやすい前提が続く点である。宿泊費や物価の影響があるなか、人数の増減よりも旅の組み立て方が満足度と出費を左右しやすい。例えば、移動回数を増やすより滞在の軸を決める、混雑期を外して同じ地域を楽しむなど、無理のない範囲での調整が現実的な選択肢になる。
海外旅行は、旅行人数が1,550万人(前年比102.6%)と増加する見込みで、平均費用は31万7,200円(同104.5%)、総海外旅行消費額は4兆9,200億円(同107.4%)と予測。円ドルレートは150円前後が続く想定のなかで、回復は続くものの増加ペースは前年より緩やかになり、近距離志向からアジアの比重が高まる一方、遠方でも一部回復傾向といった整理が示されている。海外旅行費用は燃油サーチャージを含む旅行費用に加え、現地での買物・食事などの現地消費分を含む。
「旅行をした人」の割合に関する調査結果も、家計環境のなかで旅を続ける姿を補強する。2025年(1月〜12月)に1泊以上の国内旅行を実施した人の割合は62.8%で前年より増加し、海外旅行を実施した人の割合は11.2%で前年より増加した。居住地域別の傾向も示され、国内旅行の実施率は九州地方が高く、海外旅行の実施率は九州地方(沖縄含む)や関東地方が高いとされている。
2026年は、旅行回数そのものより「旅にかかる総額」を前提に計画する一年になりそうだ。見通しでは平均旅行回数は2.63回(前年差▲0.04回)とされ、回数は微減でも、費用の上振れが総額を押し上げる構図がにじむ。行き先の選び方や日程、宿泊の組み合わせによって体験は変わるため、同じ予算でも納得感のある配分を考えることが、日本人旅行者にとっての実用的なポイントとなる。
詳細:
JTB ニュースルーム「2026年(1月~12月)の旅行動向見通し」
https://www.jtbcorp.jp/jp/newsroom/2026/01/08_jtb_2026-travel-trend-outlook.html



