バリアフリー宿泊施設情報サイト「IKKEL」、あいちサービス大賞で知事賞を受賞
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[リスヴェル編集部]2026年03月 5日公開

エリア:指定なし / ジャンル:サービス・商品情報 , 旅行準備 , 

愛知県名古屋市で運営されているバリアフリー宿泊施設情報サイト「IKKEL(イッケル)」が、第8回あいちサービス大賞において知事賞を受けた。運営主体は一般社団法人バリアフリー総合研究所「UD-ラボ東海」で、宿泊施設におけるバリアフリー情報の見える化や利用者の安心につながる情報提供の仕組みづくりが評価されたかたち。受賞式は3月19日に愛知県公館で予定されている。

「IKKEL」は、障害のある人や高齢者、その家族らが宿泊施設を選ぶ際に、バリアの有無や動線・設備の状況を事前に確認できるサイト。段差の高さや開口幅、浴室・トイレのユニバーサルデザイン要素などを全国統一基準で整理し、3D画像や実測データで情報を可視化する仕組みとして整えている。同様の情報を施設ごとに比較できる点が特徴で、従来の電話・メールでの個別確認の必要性を軽減する試みとして運用されている。

従来、宿泊施設のバリアフリー状況は各施設の自己申告や独自の基準で表現されることが多く、比較・判断がしにくいという課題が指摘されていた。そのため、目的や身体状況に応じた判断が難しく、宿泊選択を断念するケースもあったとされる。こうした背景を受け、IKKELでは建築士資格を持つバリアフリーコーディネーターが現地を訪問して実測データを取得し、客観的な情報提供を目指す仕組みとしている。

情報の提供内容は、3D画像や実測値を含むテキストで整理され、段差の有無や車椅子の通路幅、浴室・トイレの対応状況など、利用者が事前判断に必要とする情報を可視化。サイトは多様な利用者の宿泊ニーズに対応することを狙いとしており、事前に家族や介助者と情報を共有して検討できる仕組みとしての活用が進んでいる。

運営側は「完璧なバリアフリー施設」のみを掲載するのではなく、現状を正確に伝えることを重視。そのため、物理的なバリアが残る場合でも、事前に状況を把握して相談・準備を進められるようにしている点が特徴となる。利用者目線に立った情報提供は、宿泊施設側にも問い合わせ対応の負担軽減や、受け入れ体制の改善機会として機能しているとされる。

この取り組みは、利用者の安心材料の提供と同時に、施設側の経営効果にもつながる可能性がある。実際に、施設情報の公開によって多様な顧客層にアプローチできる点や、問い合わせ対応の効率化によって業務負担の軽減が見込まれる点が示されている。

運営側は今後、宿泊施設情報の拡充に加え、バリアフリー関連情報の整理・集約を進め、情報基盤としての機能強化を進めたい考えだ。
また、「IKKELに来れば情報とつながれる」環境づくりを進めるとともに、建築分野への知見還元や、社会全体での受入環境底上げの可能性についても触れている。今回の知事賞受賞は、地域の観光・宿泊分野における情報提供の新たな方向性の整理につながるかもしれない。

IKKEL(バリアフリー宿泊施設情報サイト)
https://ikkel.or.jp

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