- 2024.12.04
米国サウスダコタ州と言えば、真っ先に思い出すのがラシュモア山国立記念公園にある岩山に彫られた4人の大統領の巨大な彫像だろう。左から右へ、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーンである。
先住民族ネイティブアメリカンの文化と過去数百年の間に開拓者たちが持ち込んだ多様な文化の調和は、サウスダコタ州の遺産のひとつとも言えるが、その中でもアメリカへ移民した人たちがもたらした食文化に触れることは、旅行者としてこの上ない旅の魅力でもある。サウスダコタ州政府観光局ニュースレターからサウスダコタの食文化と言える「チスリック」と「クーヘン」を紹介する。
「チスリック(Chislic)」
サウスダコタ州の代表料理と言えば「チスリック」。チスリックとは串刺しにしたキューブ状の肉(通常は牛または子羊)に味付けをして、グリルまたは揚げたもの。2018年には別名「サウスダコタ州のおやつ」と名付けられるほど有名だが、前菜としてもメイン料理としても食べられている。サウスダコタ州内の数多くのレストランやバーで必ず目にする定番メニューでもある。
チスリックは1870年代にドイツとロシアの移民から伝えられたと云われている。中東を中心にアジアで食されている野菜と肉が串刺しになった「シシカバブ」と間違えられやすいが、これを食べずにサウスダコタ州の食体験は語れないほど。フリーマンの街では、毎年「チスリック・フェスティバル」が行われ、地元の人や観光客など多くの人で賑わう。
「クーヘン(Kuchen)」
パイとケーキを合わせたようなドイツ菓子「クーヘン」。生地の上にたっぷりのカスタードに、ピーチ、ブルーベリー、アプリコットなどのフルーツやナッツがたっぷり詰まっていて、一口食べれば後を引く人気のデザート。
クーヘンは19世紀にドイツより伝わり、2000年の春には州議会でサウスダコタ州の「オフィシャル・デザート」として公認されるほど、州民に愛されるデザートである。サウスダコタ州の東側にあるベーカリーでは、クーヘンを置いていない店はひとつもないほど。また、フリーマンで行われる毎年恒例のドイツのお祭り「シュメックフェスト」ではフライドポテト、ブラートヴルスト(ドイツのソーセージ)と共にクーヘンが振る舞われる。
サウスダコタ州政府観光局
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Photo1 ©︎ by Jéan Béller on Unsplash
Photo2&3 © South Dakota Department of Tourism