シンコティーグ島の夏の風物詩「ポニー・スイム」が100周年
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2025年07月28日公開

エリア:アメリカ合衆国(本土)  > バージニア州 / ジャンル:イベント・フェスティバル , 

米国バージニア州東部に位置するシンコティーグ島で、毎年7月に開催される「シンコティーグ・ポニー・スイム(Chincoteague Pony Swim)」が、2025年に100周年を迎える。野生の「シンコティーグ・ポニー」が隣のアサティーグ島から海を泳いで渡るこのユニークなイベントは、地域に根差した伝統行事であり、夏の訪れを告げる風物詩として知られている。

このイベントは、シンコティーグ島の消防団が1925年に始めたもので、正式名称は「ポニー・ペニング(Pony Penning)」。アサティーグ島に放牧されているおよそ150頭の野生ポニーを、地元のカウボーイたちが誘導し、アサティーグ海峡を泳いで渡らせる様子を多くの観客が見守る。ポニーたちは泳いだ後、シンコティーグ島内をパレードし、島内のカーニバル会場へと向かう。

スイム本番は、7月の最終水曜日に実施され、最初の干潮のタイミング(スラックタイド)を見計らって行われる。最初に上陸した子馬の牡馬は「キング・ネプチューン」、牝馬は「クイーン・ネプチューン」と名付けられ、その夜に開催される抽選会で来場者にプレゼントされる。木曜日には、シンコティーグ消防団が主催する子馬のオークションが行われ、売上は消防団の運営費やポニーの管理費用に充てられる。

100周年となる今年は、例年以上に多くの来場者が予想されており、安全面や運営面でも特別な対策が講じられている。会場周辺では透明なバッグの使用が推奨され、大型クーラーボックスや傘、ガラス容器などの持ち込みは禁止されている。また、メイン会場となるバージニア州立退役軍人記念公園(Veterans Memorial Park)には大型スクリーンが設置され、遠くからでもポニーの泳ぎを観覧できるよう工夫されている。

イベントは、スイム前の土曜日に始まる「サザンハード・ラウンドアップ(Southern Herd Roundup)」からスタートし、金曜日の「スイムバック(Swim Back)」でアサティーグ島へポニーが帰るまで続く。期間中、島ではカーニバルが連日開催され、乗り物やゲーム、美味しい屋台料理などで夜もにぎわいを見せる。

なお、子馬のオークションでは「バイバック(Buy Back)」と呼ばれる方式が採られており、一部の子馬は島に戻され、群れの一員として自然の中で暮らし続ける。この取り組みは、地域文化の継承と野生動物の保護を両立させる仕組みとして高く評価されている。

今年で100年の歴史を持つこのイベントは、地元住民の情熱と自然への敬意によって守られてきた。アメリカ東海岸の夏の旅先として、シンコティーグ島はますます注目を集めそうだ。

Chincoteague Pony Swim
開催日:2025年7月30日(水)・31日(木)
公式サイト:https://www.chincoteague.com/pony-swim/pony-swim-guide/

Photo copyright: © 2025 Chincoteague.com

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