- 2024.10.04
はちみつを採取する人類とミツバチの関係はいつからはじまったのか?はっきりとした事は分かっていないが、高い崖でミツバチの自然巣を採集しようと女性が手を伸ばしたスケッチが描かれているスペインの「アラニア洞窟の壁画」が有名で、およそBC1万5000年の頃だと言われている。また、BC1000年以前のエジプト古代墓からは壷に入ったハチミツが発見されている。随分前から人間とミツバチの関係があったことが伺える。
話はちょっと飛ぶが、ウィーンが緑豊かな都市であることは良く知られている。しかし、夏のウィーンで2億匹以上のミツバチが活動していると聞けばちょっと驚くかもしれないが、大都市のウィーンはミツバチにとって良好な生息環境を提供しているようだ。確かに、大都市の東京でも「銀座ミツバチプロジェクト」と称して、2006年から銀座のビルの屋上で養蜂を始め、採れたハチミツを「銀座のはちみつ」として商品化していることからも、都会とミツバチの関係もさまざま。
ウィーンがミツバチにとって極めて快適な都市と言える理由として、数多くの公園や庭園、道路のグリーンベルト、家屋のバルコニー、緑化された屋上など、多様な植物が繁茂し、木々や草に次々と変化に富んだ花々が咲き、恒常的に食料を提供しているからだそうだ。さらに、市街地は農村部よりも暖かい時期が長く、殺虫剤もほとんど使用されないのも理由のひとつ。こうした背景から、ウィーンには約5,300に上るミツバチの集団が生息し、600人もの養蜂家が世話をしている。最近では「都市養蜂協会」も設立され、都市に生息するミツバチ集団を配慮し、巣箱の設置場所を確保・管理している。
ウィーン育ちのミツバチは、しばしばウィーンの著名な建物にも住んでいる。さて、どこに住んでいるのでしょうか?オペラ座?ブルク劇場?
ウィーンには蜂蜜専門店がある。「ヴァルト・ウント・ヴィーゼ(森と草原)」は市内に3店あり、蜂蜜、プロポリス製品、蜂蜜グミ、蜜蝋のロウソクなどを取り扱う。オペラ座で採集される蜂蜜は、オペラ座のビュッフェ、旧帝室御用達菓子店ゲルストナー、スーヴェニールショップ・アルカディアで販売される。養蜂場「ウィーナー・ホーニヒ」も品質の高い製品を揃える。ウィーン19区にある小規模経営の養蜂場では、持続可能な手法で蜂蜜が採集され、クリーミーな蜂蜜やスパイシーな蜂蜜、プロポリス製品、手製石鹸などを作っている。
情報提供: ウイーン市観光局