- 2025.08.15
世界最大級のデジタルトラベルプラットフォーマー「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」 は、世界33の国と地域における37,000人以上の消費者を対象に、日常生活や旅行の中でAIをどのように活用し、どれほど信頼し、どのような意識を持っているかを調査した「AIに関するグローバル意識調査レポート」を発表した。
概要(2)AIと旅行
AIは急速に旅行体験における中核的な存在となりつつあり、消費者の65%(日本:62%)が「近い将来、自動で旅行を計画する時代が当たり前になる」と予測。実際、3人に2人(世界:67%、日本:33%)がすでに旅行のいずれかの段階でAIを活用しており、そのほとんどが「旅行の計画や予約時(世界:98%、日本:97%)」あるいは「旅行中(世界:96%、日本:88%)」にAIを利用していると回答。これは、AIを活用したツールへの依存度が高まりつつあること、そして旅行者がテクノロジーによって旅がより豊かになることに対して前向きな姿勢を持っていることの表れだろう。
旅行の計画段階において、旅行者がAIを最もよく活用しているのは、「訪問先の目的地や最適な時期を調べるため」(世界:38%、日本:34%)、「現地での体験や文化的なアクティビティを探すため」(世界:37%、日本:35%)、「レストランのおすすめを調べるため」(世界:36%、日本:38%)。注目すべきは、AIアシスタントが「旅行計画における信頼できる情報源」として、同僚(世界:19%、日本:12%)やインフルエンサー(世界:14%、日本:9%)を上回る24%(日本:10%)の支持を得ている点で、旅行者の間でAIの役割が実用的かつ信頼できるものとして確立し始めている事が窺われる。
旅行中において、AIツールは翻訳機能(世界:45%、日本:31%)、目的地でのアクティビティの提案(世界:44%、日本:26%)、レストランのおすすめ情報の取得(世界:40%、日本:30%)、さらには馴染みのない場所や交通機関でのナビゲーション(世界:40%、日本:45%)など、さまざまな場面で活用。また、旅行から帰宅した後のAIの使用例として最も多く挙げられたのは写真編集で、全体の38%(日本:26%)が利用経験ありと回答。
旅行者の66%(日本:44%)が、AIによって旅がより簡単かつ効率的になることを主な利点として認識していることに加えて、AIが社会や地域に貢献する可能性にも大きな期待が寄せられている。例として、71%(日本:65%)の回答者が、混雑した観光地や旅行のピーク時を避けるためのAIによる提案を高く評価しており、より快適で持続可能な旅をサポートする存在としてもAIの活用に注目。
旅行者の意識は訪問先の地域社会にも向けられています。回答者の60%(日本:35%)が「その地域にポジティブな影響をもたらすような体験をAIが推薦してくれること」を望んでおり、旅の質だけでなく、地域への配慮や社会的な責任もAI活用の重要な視点として位置付けてもいる事が興味深い。