- 2024.12.13
「世界一幸福な国民」とも言われるデンマーク人の幸せの秘訣が「ヒュッゲ(Hygge)」にあることが注目され、欧米では関連書籍が多数発行されたりイギリスでは流行語候補に選ばれたり、「ヒュッゲ」が世界的ブームになりつつある。
ヒュッゲとは、「幸福」や「心地よい場所や雰囲気」を表すデンマーク独特の概念。デンマーク人のDNAの一部と言っても過言ではなく、彼らの人生において欠くことのできない大切な要素。
具体的には、自宅で家族や友人と食卓を囲んで過ごす、キャンドルを灯して読書をする、ソファで温かいブランケットにくるまり親しい仲間とテレビを観ながらおしゃべりするなど、「温かくてほっこりした時間を過ごす」ことを指す。長くて厳しい冬を快適に過ごすための知恵として、古くからデンマークで親しまれてきた暮らし方に由来すると考えられている。
ヒュッゲを語る上で欠かせないキーワードは、温かい時間の共有、快適な空間の共有、愉快な体験の共有などの「共有」と、普段着のままとか椅子がなくても窓枠に腰をかけるとか「素」でいる気軽さのこともヒュッゲの独特な文化。
北欧流ワークライフデザイナーとして20年以上も北欧と関わりデンマーク文化に精通している芳子ビューエル氏は、日本でのヒュッゲの取り入れ方について提案している。
先ずは余裕がある時にジャムやジュースを手作りしたり、食事にキャンドルをつけて友人を自宅に招いたり、気軽にできることから始めてみることで、日々の生活が彩り豊かになり幸福感を感じられるように。
日照時間が短く冬が長いデンマークでは、長い時間を過ごす場所である家が快適であることは何より大切。インテリアにおいては自分が心地よいと思えることを重視し、特に「椅子」にこだわる。デンマーク人の多くが「マイチェア」と呼ばれる自分専用の椅子を持ち、日本でも自分のお気に入りの居場所であるマイチェアを取り入れ、自分本来の素になれる時間と空間を大切にする。
「ミニマム」な暮らしの効用。コペンハーゲンの家の広さや間取りは都心のマンションと変わらなく、室内はシンプルかつミニマム。福祉国家のデンマークは税金が高いことなどもあり、デンマーク人はモノを買うことに慎重で、家の中は調度品や装飾類が少なく余計なものはほとんどない。「余計なものが少ないほど、整理整頓や必要なものを見つけるストレスが少ない」という考え方。毎日の生活や自分の人生において、何が大切なのかを考えたうえで、持つべきもの・重視すべきことをじっくり選択するという生き方を身につけている。
日本でヒュッゲを体感できるスポット
「cafe alto」「インテリアショップALTO」
http://www.alto-star.com/
日本にヒュッゲを紹介した第一人者芳子ビューエル氏
最新著書
「世界一幸せな国、 北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし」(大和書房)