- 2025.05.05
19世紀にオランダで生まれた「デ・スタイル(De Stijl)」は、2017年に100周年を迎える。“モンドリアンからダッチ・デザインへ”のテーマの基、デ・スタイルという芸術運動の立役者ピエト・モンドリアンから現在のオランダのデザインの流れを読み解く企画展やイベントが、ハーグ、ユトレヒトなどオランダ各地で開催される。
デ・スタイルは、1917年にオランダで創刊され1928年まで続いた雑誌「デ・スタイル」を中心に行われた芸術運動。現代における美術、デザイン、建築などの分野で強い影響を与えた。画家のピエト・モンドリアン、建築家・デザイナーのヘリット・リートフェルト、芸術家であり雑誌発行人でもあるテオ・ファン・ドゥースブルフ、ビジュアル・アーティストのバート・ファン・デル・レックなどがデ・スタイルの中心人物。
デ・スタイルはオランダ語で「スタイル=様式」を意味する。その理念を決定したのはモンドリアンが提唱した「新造形主義」。新造形主義とは、純粋に造形表現を追及した結果、垂直と水平の線と原色による表現へと辿りついたもので、これに賛同した多くの画家、建築家、彫刻家が、デ・スタイル運動に参加した。
デ・スタイル運動で生まれた作品を統括的に鑑賞できる場所と言えば「ハーグ市美術館(Gemeentemuseum Den Haag)」。1935年に建築家ベルラーヘにより建てられたアールデコ調の建物。世界最大のモンドリアン・コレクションを誇り、デ・スタイル100周年を記念する2017年には、美術館のモンドリアン・コレクションを中心に、これまでより拡大したスペースでデ・スタイル運動によって生まれた作品を展示する。
ピエト・モンドリアンとバート・ファン・デル・レック~新しい芸術の発明
2017年2月11日~5月21日
芸術運動を共にし、友人でもあったデ・スタイルの中心人物2人の画家の作品約80点と共に、モンドリアンの原色(赤、青、黄)の謎に迫る。ニューヨークのMoMAなどから貸し出された作品も展示
モンドリアンを発見~アムステルダム、パリ、ロンドン、ニューヨーク
2017年6月3日~9月24日
ハーグ市美術館のモンドリアン・コレクションから、初期の風景画や抽象画など、オランダから出発し、パリ、ロンドン、ニューヨークへと作品を描き進めていった20世紀のモダンアーティストの人生を辿る。
デ・スタイルの建築とインテリア
2017年6月10日~9月17日
普遍性、秩序、バランス、美で貢献することを信条としたデ・スタイルは、モダンデザインにも大きな影響を与えた。デ・スタイル運動によって生まれた作品を通して建築やインテリアの世界を探る。
ハーグ市美術館詳細:https://www.gemeentemuseum.nl/en/exhibitions/upcoming
情報提供:オランダ政府観光局