- 2019.11.05
本年も、フォルクローレ(民族音楽・舞踊)の大祭典といわれるカンデラリア祭(正式名称:ヒルヘン・デ・ラ・カンデラリア・フェスティバル‐Virgen de la Candelaria Festival)が、2月2日から約2週間にわたり、ペルー南部ティティカカ湖畔の町、プーノで開催されます。
年に一度行われるこのお祭は、16世紀にスペイン人がペルーに持参した『カンデラリアの聖母像』に由来し、規模と迫力がペルーでも随一と言われています。毎年6万人を超すバンドやダンサーが集まり、期間中プーノ市内はお祭りムード一色となります。同様数のビジターが国内外からお祭りを見にやって来る、ペルーの民族音楽を体験する絶好のイベントです。
スペインの征服以前の時代の民族舞踊のコンテストやインカ時代の伝統楽器が奏でる音楽、クレオールダンサーによる金糸銀糸の刺繍飾りをつけた華やかなコスチュームを着てバンドとともに披露するダンスなど、ストリートパフォーマンスが賑わいを見せるほか、ハイライトとなるパレードは、たくさんのミュージシャン、ダンサーが道にあふれます。アルティプラーノと呼ばれるアンデスの高原地帯の伝統的ダンスといわれている「ディアブラーダ Diablada」は、悪魔の踊りという意味で、3,800メートルもの高地でカラフルな衣装と大きな仮面をつけて披露される迫力ある踊りは必見です。
カトリック教徒である参加者たちは踊りと音楽をプーノの守護聖人である聖母像に捧げ、地元の伝統音楽、舞踊、衣装をこの大舞台で披露します。先住民の間では、古くから日常生活の根付いた伝統舞踊があり、スペイン文化の影響を受けながらもその文化を継承し続けています。カンデラリア祭は、ペルーの伝統文化(無形遺産)を継承するものとして、ユネスコの無形文化遺産登録を目指しています。
プーノについて
ペルー南部、リマから南に約1000キロに位置する、標高3827メートルにあるアンデスの町。汽船の運航する湖では世界最高地となるティティカカ湖畔の町で人口は約22万人。初代インカ皇帝が誕生したという伝説で知られており、地元の人々はケチュア族やアイマラ族の伝統を受け継ぐ先住民が多く暮らし、色鮮やかな民族衣装に身を包んだ人々の姿を目にすることができ、音楽や踊り、手工芸に至る伝統が残る町です。シユスタニ遺跡やティティカカ湖に浮かぶトトラという水草でできたウロス島、ユネスコの無形文化遺産に登録されている伝統織物で有名なタキーレ島への観光拠点となっています。