- 2019.11.05
品質の高い綿やアルパカなどの繊維素材を中心に、ペルーは世界のアパレル業界から注目を集めています。繊維生産から縫製技術に至るまで、高い技術を持っているペルーには、世界の有名ファッションブランドの生産拠点が多数存在します。近年では、ペルー人デザイナーが伝統的なフォークロアスタイルと欧米のファッションを融合させ、『ペルー・モード・ファッション』という独自のファッション文化を生み出し、ペルー独自のファッションブランドも世界に進出しつつあります。
ペルーのアパレル業界で欠かせないのが、アルパカやビクーニャなどのラクダ科の動物の毛で作った衣服です。古代ペルー人は、アルパカの毛で作った衣服を“神の服”と考えていました。アルパカは、インカ時代に家畜化され、衣服を生産するためにその毛が使われるようになりました。現在も、アルパカやビクーニャの飼育者は、その毛が優良な品質の繊維となるよう、厳しい管理の下に家畜を育て、その繊維は衣服、バッグ、アクセサリー製品に生まれ変わります。世界のアルパカ繊維の80%がペルーで生産されており、世界のマーケットではカシミアやモヘアとも比べられるようになりました。
また、ペルーは、綿の生産国として高品質なタンギスやピーマといった綿を生産しており、繊維を海外に輸出しています。徹底した管理下で生産されたペルーの綿を原料に、多くの世界のアパレルブランドが製品を生産しています。また、大量生産の一方で、環境面や持続可能な成長にも配慮し、近年、ペルーの綿業界では、貴重なオーガニック綿の生産と輸出も始めています。
近年では、ペルーの歴史、文化と世界的なトレンドを融合させ、世界のトップデザイナーの仲間入りを果たしているデザイナーもいます。「ナティ・ムニョス(Naty Munoz)」、「ハルミ・モモタ(Harumi Momota)」は、世界のファッションショーで活躍する新鋭ブランドです。アルパカやピーマ綿などの希少天然素材を使った衣服、靴、アクセサリー、ジュエリー製品を手掛けており、伝統技法を取り入れたモダンスタイルが国内外で人気を集めています。
首都リマでは、Made in Peruのタグがつけられた製品の台頭が目立ち始めています。個人デザイナーのショップ巡りに最適なサン・イシドロ区、ボヘミアンスタイル(民族衣装のファッション要素を取り入れたスタイル)を探すならバランコ地区、さらに、ジョッキー・プラザ、サガ・ファラベラ、リプレイといった大規模ショッピングモールやデパートもあります。ペルー訪問の際には、流行発信地リマで最新のペルーファッションをチェックしてみることをお勧めいたします。