丹波篠山で迎える新年の風物詩、元朝能とぼたん鍋、夜観光で味わう冬の城下町
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2025年12月29日公開

エリア:アジア  > 日本  > 兵庫 / ジャンル:観光情報・観光局・現地便り , 

兵庫県丹波篠山市(たんばささやま)では、新年を彩る伝統芸能の元朝能(がんちょうのう)「翁(おきな)」をはじめ、冬の名物料理「ぼたん鍋」、さらに夜の観光を楽しむライトアップ事業企画など、年始から冬にかけて、歴史ある城下町で、文化・食・夜景を一体で楽しめる冬旅の最新情報を紹介する。

兵庫県中東部に位置する丹波篠山市は、山々に囲まれ、篠山城跡を中心に城下町の景観が色濃く残る地域。古来、西国から京都への交通の要として栄え、町なみや山鉾が巡行する祭礼など、現在も京都文化の影響が随所に色濃く残っている。また、四季折々の自然とともに、伝統文化や食を生かした観光が魅力で、冬から年始にかけては特に地域性を感じられる催しがある。

年始の丹波篠山を象徴する行事の一つが、丹波篠山春日神社で奉納される元朝能「翁」である。毎年1月1日午前0時20分頃から執り行われる「翁」は猿楽(さるがく)にも起源を持つといわれ、新年の無病息災や五穀豊穣などを祈って祝賀に披露される舞として知られる。国内でも最も早い時間帯に上演される能の一つで、国の重要文化財に指定されている能舞台で行われる点も大きな特徴。厳かな空気の中で新年を迎える体験は、丹波篠山ならではの文化的魅力となっている。

丹波篠山春日神社 元朝能「(翁)」奉納
https://tourism.sasayama.jp/okinahounou/


冬の丹波篠山観光に欠かせないのが、郷土料理「ぼたん鍋」である。丹波篠山は良質な猪肉の産地として知られ、味噌仕立ての鍋料理は寒い季節の定番として親しまれてきた。昭和初期に広まったとされるぼたん鍋は、現在では文化庁の「100年フード」にも認定され、地域の食文化を代表する存在となっている。市内では約40店舗が提供しており、味噌や出汁、具材の工夫など、店ごとの個性を楽しめるのも魅力。

丹波篠山「ぼたん鍋ガイド」
https://tourism.sasayama.jp/botannabe/


近年、夜の時間帯に観光を楽しめる取り組みも注目されている。篠山城跡周辺の歴史的建造物を活用したライトアップや、商店街と連動した夜間イベントの実施を目指し、クラウドファンディングを通じたプロジェクトが進行中である。ライトアップの一般公開日については今後の公式発表が待たれるが、昼間観光が中心だった城下町に、夜ならではの滞在価値を生み出すことで宿泊促進や回遊性向上が期待されている。

夜の丹波篠山をもっと楽しもう!丹波篠山ライトアップ応援プロジェクト
https://www.furusato-tax.jp/gcf/5086


元朝能に代表される伝統行事、郷土料理のぼたん鍋、そして夜観光の充実。これらを組み合わせて楽しめる丹波篠山の冬旅は、地域性のある文化体験を楽しむ旅行者や、落ち着いた年始の旅を求める層にとって魅力的な選択肢となるだろう。

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