台湾中部を自転車で巡るスローツーリズム!低炭素な魅力を体験する
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[リスヴェル編集部]2025年12月26日公開

エリア:アジア  > 台湾 / ジャンル:アクティビティ・スポーツ , 観光情報・観光局・現地便り , 

台湾中部エリアでは、自転車で自然や文化を巡るスローツーリズムの取り組みが進められている。このエリアの美しい山岳地帯と文化を守り、人々が安全に楽しみながら学べるようにする国立公園のような役割を担う機関「参山(さんさん)国家風景区管理処」は、獅頭山(しとうさん)や台中市霧峰(むほう)を舞台に、客家(はっか)文化や里山の景観、都市の文化施設を結ぶサイクリング観光の魅力を広く伝え、また、環境への配慮と健康意識を背景に、持続可能な旅行スタイルとして提案している。

台湾は、自転車利用を前提とした観光環境の整備が進んでおり、各地にサイクリングロードが整備されている。都市部では公共レンタサイクル「YouBike」も定着し、旅行者が気軽に自転車を利用できる状況が整っている。今回の取り組みは、こうした基盤を生かし、地域の文化や暮らしを身近に感じられる旅の形を示すものである。

獅頭山エリアでは、苗栗県(びょうりつけん)南庄や新竹県側の峨眉湖(がびこ)周辺を巡るルートを紹介。山間部の起伏や静かな集落の風景が続き、速度を競うのではなく、景色や土地の空気を味わいながら走る構成となっている。道中には、かつて鉱山として利用されていたトンネル、巴巴坑道(ばばこうどう)や、水辺の景観が広がる峨嵋湖など、立ち寄りポイントが点在する。

この地域の特徴として、客家文化の存在が挙げられる。老街(ろうがい)と呼ばれる古い街並みでは、地元の商店や飲食店に立ち寄りながら、花茶湯園(白玉団子)や豆干などの郷土食に触れるのが良いだろう。自転車での移動は、地域の日常に自然に溶け込む体験を可能にする手段として機能している。

一方、台中市霧峰エリアは比較的平坦な地形が広がり、初心者でも走行しやすい点が特徴。全長26キロのルートは平坦な市街地やサイクリングコースが中心で、立法院民主草坪や乾溪自転車道、アジア大学現代美術館などを巡り、都市景観、自然、アートを組み合わせた行程を組み込むと良いだろう。短時間でも充実感を得やすく、週末旅行や家族旅行への応用も想定されている。

自転車を活用した観光は、移動手段にとどまらず、地域との接点を増やす役割を果たす。途中で立ち寄る飲食店や施設が増えることで、地域経済への波及効果も見込まれている。台湾中部におけるサイクリング観光は、低炭素で環境負荷を抑えながら自然・文化体験の密度を高める取り組みであり、何よりも台湾の素晴らしい景色を自分のペースで堪能することができる。

参山国家風景区管理処(台湾交通部観光署)
https://www.trimt-nsa.gov.tw/ja/

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