- 2025.03.18
1825年にウィーンで生まれた“ワルツの王”こと、作曲家ヨハン・シュトラウス2世は、2025年に生誕200周年を迎える。ウィーン市観光局はこれを記念して、2025年の観光スローガンを「ワルツの王、音楽の女王」と定め、シュトラウス2世の音楽とウィーンの文化遺産を紹介する取り組みの一環として、欧州宇宙機関(ESA)と共同制作した短編ドキュメンタリー『スペース・アンセム』をYouTubeで公開した。
『スペース・アンセム』キービジュアル
動画『スペース・アンセム』 https://www.youtube.com/watch?v=l-7HpEZa5yo
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シュトラウス2世の作品の中でもっとも有名な『美しく青きドナウ』は、オーストリアで“ドナウワルツ”と呼ばれて第2の国歌として愛されている。1968年のスタンリー・キューブリック映画『2001年宇宙の旅』の冒頭で宇宙船が浮遊するシーンに採用されると、その強烈な印象によって宇宙の讃歌、すなわち“スペース・アンセム”としてのイメージが浸透した。その後2001年にスペースシャトル・ディスカバリーが国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした際にも再生されたことで、<美しく青きドナウ=宇宙>のイメージはより強力になった。
今回公開した6分間のドキュメンタリー『スペース・アンセム』では、キューブリック監督の助監督であるブライアン・W・クック氏、ウィーン放送交響楽団首席指揮者マリン・アルソップ氏、『シンプソンズ』の作曲家カーラ・タルヴェ氏、欧州宇宙機関(ESA)の予備宇宙飛行士カルメン・ポスニグ氏、シュトラウス2世の後裔エドゥアルト・シュトラウス氏といった専門を異にする人々が登場し、それぞれの視点から見たシュトラウス2世の音楽と宇宙とのつながりを語っている。
ヨハン・シュトラウス2世:
1825年10月25日ウィーン生まれ。音楽家の父ヨハン・シュトラウス1世のもと、作曲の才能に加えカリスマ性やビジネスの手腕にも恵まれ、ウィーナー・ワルツというジャンルを広めた。生涯で約500曲のワルツやポルカ、オペレッタを作曲。代表作は『美しく青きドナウ(1867年)』『ウィーンの森の物語(1868年)』『こうもり(1874年)』『皇帝円舞曲(1888年)』など。650年におよぶハプスブルク帝国の末期に活躍したヨハン・シュトラウス2世は、生前から“ワルツの王”や“ウィーンのもう一人の皇帝”と呼ばれるほどの人気を誇った。1899年没。
主な生誕200周年記念事業:
ウィーン演劇博物館 特別展『ヨハン・シュトラウス』
2024年12月4日~2025年6月23日
ウィーン楽友協会内ベーゼンドルファーサロン特別展『シュトラウス&ベーゼンドルファー』
2024年9月1日~2025年8月30日
ウィーン楽友協会やウィーン・コンツェルトハウス等で、記念コンサートは一年を通じて多数予定。
ウィーン市観光局
https://www.wien.info/ja