- 2025.03.21
果物をトッピングしてホイップクリームをたっぷりとのせたパンケーキを食べたくなる衝動に駆られることがある。パンケーキはとてもカジュアルな料理だが、イギリスをはじめとした国々において、毎年「告解の火曜日(Shrove Tuesday)」にパンケーキを食することは、れっきとしたキリスト教に関連する伝統行事であるのだ。
パンケーキ・デーの由来は、キリスト教の信者が復活祭前に行う「レント(Lent)」、日本語では「四旬節(しじゅんせつ)」と言われる、40日間の断食を行う期間に入る前日、四旬節の初日である「灰の水曜日(Ash Wednesday)」の前日の告解の火曜日にパンケーキを食べる伝統が現在も維持されている。つまりは、イースター(復活祭)」の前に、これまでの罪を悔い改めて懺悔して魂を清めるための四旬節に入る前に、断食前の食材を消費するためでもあり、また卵や牛乳を使った料理で栄養を取るためであるとも云われている。
告解の火曜日は、2024年は2月13日であるが、2025年は3月4日、2026年は2月17日、2027年は2月9日のように、毎年日にちが異なる。現在では、四旬節に40日間の断食を行う人は少ないかもしれないが、パンケーキを食べる伝統が残り、「パンケーキ・レース(The Pancake Race)」なる祝祭イベントも開催されているようである。フライパンを持った参加者が、パンケーキを空中に放ってフライパンで受け取る動作をしながら走る競争レースである。最も有名なパンケーキ・レースはバッキンガムシャーのオルニーのものであり、1445年から行われている。(参考:ウィキペディア)
伝統的なイギリスのパンケーキは分厚いアメリカのパンケーキとは異なり、生地が薄く、砂糖とレモン汁をかけて食べるシンプルなものが多い。もちろん、現在では多種多様なパンケーキをイギリスでも提供している。どちらにしても、今年の2月13日はパンケーキを食べよう!
ちなみに、森永製菓が制定したホットケーキの日(1月25日)とは異なる。
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