- 2024.11.04
ボルドーワイン委員会によると、8月27日、酸味が特徴の品種クレマン・ド・ボルドー(Crémant de Bordeaux)醸造用のぶどうと、最も早熟の辛口白ワイン用ぶどう品種(ソーヴィニヨンやセミヨンなど)の初収穫が行われた。ここ数年は気候変動の影響で特に収穫時期が早まっているが、今年は従来の時期に収穫が始まったようだ。
赤ワイン用黒ぶどう品種(89%がジロンド県産)のうち、先ずはメルローが9月20日頃から収穫開始。メルローは最も熟成が早く、主に右岸の粘土・石灰質土壌で栽培されている。メルローに続き、左岸での栽培が多く見られるカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンといったカベルネ種の収穫がはじまり、収穫は10月中旬まで続く。
その後、天候によって左右されるが、甘口ワインや中甘口ワイン用の貴腐ぶどうの収穫が10月下旬もしくは11月初旬まで続く。貴腐菌(ボトリティス・シネレア)は、ジロンド県南部に分布し、シロン川が生み出す湿気や土壌の温かさによって成長し、貴腐という現象を起こす。
ボルドーの収穫手法は、大部分で機械を使用。収穫機の正確性と高い性能により、ぶどう果を傷つけることなく、高品質のまま収穫することが可能となる。
フレッシュでフルーティなワインを生み出すためには、ぶどうの最適な熟成が求められる。進化を続ける熟成手法は様々。
・ぶどうの房それぞれの望ましい熟成状態をみて、いくつかの段階に分けて小区画ごとの収穫。
・よりしなやかなタンニンと蓄積されたアントシアニンを生む工夫
・アロマの成熟度合いを確認するため、ぶどうの種のテイスティングを行う。種は木質感があり、ドライフルーツの香りを持っていることが求められ、噛むとカリカリと音がする。
・白ワイン、ロゼワインの生産には夜明けにぶどうを収穫。そうすることでぶどう果が低温を保ち、また香りを維持する。
2019年は、ワイン生産量がここ10年間の平均となる500万ヘクトリットルにまで持ち直すと予想している。