- 2024.12.03
オーストリア北部のドナウ川下流地域に広がる景勝地「ヴァッハウ(ワッハウ)渓谷 (Wachau) 」。南北の山脈に抱かれた36キロに及ぶ渓谷一帯が「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」の名称で2000年にユネスコ世界遺産に登録された。
渓谷の両岸には古城や修道院が点在し、観光クルーズとしても人気が高い。ドナウ川流域には、太古の人々が生活していた数多くの痕跡が残っているが、1909年にヴィレンドルフで発見された石像はその精緻さからも「ヴィレンドルフのヴィーナス」と呼ばれている。そしてドナウ川沿いで最も美しいとも言われる印象的な「シェーンビュールの城」(www.schoenbuehel.at)は、9世紀に起源する。14世紀に貴族シュタルヘンベルク家の所有となり、17世紀には修道院が建てられた。19世紀にベロルディンゲン伯所有の城として今日に至る。
ドナウ川がもたらす温暖な気候、日照時間に恵まれた南斜面、太古からの独特な土壌などによって、ヴァッハウ渓谷では最高品質の白ワインが生産されている。また、ヴァッハウ地域のあるニーダーエステライヒ州は、ヴァルトフィアテルのケシの実、マルヒフェルトの白アスパラ、ヴァッハウ地方のあんずなど、各地域にそれぞれの特産品やご当地グルメがある。
ヴァッハウ渓谷で最初に開花するのはアンズの花。それからリンゴ、ナシ、サクラの花が続く。日本で桜の開花を待ち望み春を迎えるように、ワッハウでは白いあんずの花が咲くと春を感じるそうだ。ヴァッハウのアンズ農家は厳しい規制をクリアし、ヨーロッパ全土で通用する保護原産地呼称の証明書を取得している。この貴重な果実「ヴァッハウ・あんず」は最高級品として認定されている。
ヴァッハウのあんず
https://www.austria.info/jp/culinary-culture/philipp-essl-the-gourmet-chef-of-wachau
ヴァッハウの「あんず団子」(情報:オーストリア政府観光局公式サイトより)
材料(4人分)
【生地】カッテージチーズ 250g、バター(またはマーガリン)60g、ザラメ 茶さじ2杯、小麦粉 140g、塩ひとつまみ、卵1個
【その他】あんず8個、あんずリキュール適量、パン粉、角砂糖8個
【作り方】
①生地の材料を全て混ぜ合わせ、30分間ねかす
②あんずの種を取り除き、角砂糖にあんずリキュールをかけたものを種の代わりにあんずに詰め、あんずを生地で包んで丸める
③沸騰させた水に塩を入れ、②を茹でる
④茹であがったらフランパンにうつし、バターと砂糖とパン粉と一緒に炒める。
Image photos were provided by Austrian National Tourist Office.