オーストリアの歴史ある季節営業のワイン居酒屋
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2017年07月10日公開

エリア:ヨーロッパ  > オーストリア  > ウィーン / ジャンル:グルメ・スイーツ , 観光情報・観光局・現地便り , 

オーストリアの人々は、音楽をはじめとする高度な文化、由緒ある建造物と現代建築の融合、美しい自然や郷土料理など、日常を小さな祭事として祝い、生きる喜びを楽しみながらライフスタイルを満喫している。そして季節による慣習や楽しみもあり、そのひとつが「ホイリゲ」と呼ばれる季節限定のワイン居酒屋。

ホイリゲ(Heurige)とは、オーストリア東部に見られるワイン居酒屋のことで、その歴史はおよそ 220年以上も前にさかのぼる。1789年、皇帝ヨーゼフ2世がウィーンのぶどう栽培農家に対して、「季節限定で自家製ワインの小売りと一緒に簡単な食事も提供して利益を得ても良い」という特別な許可を与えたのが始まり。

ホイリゲは、ドイツ語で“本年度の”とか“今年の”という意味で、そこからオーストリアの1年未満のワインの新酒を「ホイリガー」とか「ホイリゲ」と呼ばれるようになり、新酒のワインを出す居酒屋もホイリゲと呼ばれるようになった。新酒のワインができると、モミなどの小枝の束を集めた“只今営業中”とう目印が店の軒先にぶら下げられる。ワインは主に白ワインで、ワイングラスではなくジョッキ型のグラスで飲むのがホイリゲ。一緒に食べる料理はビュッフェスタイルで、自家製ハム、肉の燻製、チーズ、ピクルス、黒パン、ゆで卵、サラダなどが料理として出されるのが一般的。子供やお酒を飲まない人向けに「トラウベンサフト」というブドウジュースも用意している。

ウィーン市内にはぶどう畑があり、市内でホイリゲが最も集中しているのがグリンツィングとその周辺。交通の便も良いので地元の人にも観光客にも親しまれている。そのほか、地元の人に人気のコーベンツルや、ビーサムベルク山麓のシュタンマースドルフ、オーバラー、ヌスドルフなどにもホイリゲがある。また、ホイリゲになくてはならない音楽が「シュランメル」。シュランメル兄弟が作りだしたウィーンの大衆音楽で、ヴァイオリンやアコーディオン、ギターを演奏しながら歌う。

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