- 2019.11.05
ペルー共和国が、ユネスコ世界文化遺産への推薦をしていた「インカ道」(ケチュア語:Qhapac Nan)が、6月21日(土)、世界遺産一覧表へ記載されることが決定しました。カタールのドーハで開催されている第38回ユネスコ世界遺産委員会は、かつてインカ帝国よって舗装され、国家の交通網として使用されていた3万キロメートルにわたるインカの道路網の歴史的、文化的価値を高く評価しました。
インカ道は、南米6ヵ国、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリ、コロンビア、エクアドルに渡って張り巡らされており、この度のインカ道の世界遺産登録の申請については各国と共同で行っていました。6ヵ国の間では、申請に先立って、今後もインカ道の保存について共同作業をすべく合意をしており、正式に世界遺産登録となった後は、それぞれの国のインカ道の保存と修復がますます進み、各国の観光業にも良い影響を与えることが予想されます。
インカ道の舗装と道路網の整備は、インカ帝国全盛期の15世紀にピークを迎え、すべての道は、当時の首都であったクスコ市に繋がっていました。今回の世界遺産登録により、ペルー国内のユネスコ世界遺産は、合計12ヵ所となります。その他11ヵ所世界遺産には、クスコ市街、ワスカラン国立公園、チャンチャン遺跡地帯、マチュピチュ歴史保護区、チャビンの考古遺跡、マヌー国立公園、リマ歴史地区、リオ・アビセオ国立公園、ナスカとフナマ平原の地上絵、アレキパ歴史地区、カラル・スーペがあり、いずれもペルー観光の大きな魅力となっています。
インカ道について
インカ道(ケチュア語:カパック・ニャンQhapac Nan)は、スペイン人入植前のインカ帝国時代に、南米6ヵ国、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリ、コロンビア、エクアドルに渡って張り巡らされた道路網で、ペルー国内では約25,000キロメートルの道が確認されています。インカ道は当時ペルーで暮らしていた民族の幅広い知識と支配力を示しており、太平洋岸の砂漠地域から山岳地域の深い渓谷や激流の川まで、ペルー国内の絶景を望める場所に舗装されていました。現在もインカ道は、世界から訪れる何千もの観光客を魅了しており、観光客はインカ道を歩くことによりペルーのアンデス文化をより深く理解することができます。また、インカ道をトレッキングすることにより、世界の7不思議の一つであるマチュピチュを含め、様々な遺跡を訪れることができます。
ユネスコ公式サイトURL: http://whc.unesco.org/en/list/1459