- 2026.08.25
特定非営利活動法人世界遺産アカデミーは、2026年7月19日(日)から29日(水)まで韓国・釜山で開催された第48回ユネスコ世界遺産委員会に、宮澤光氏(同アカデミー主任研究員)を現地に派遣し、審議の様子を詳細レポートとして公開した。委員会では日本の『飛鳥・藤原の宮都』を含む新規登録の審議のほか、危機遺産リストの見直しなどが行われた。
委員会は韓国で初めて開催され、韓国の元外交官イ・ビョンヒョン氏が議長を務め、10日間の会期中に25件の資産が新たに世界遺産リストに登録された。内訳は文化遺産19件、自然遺産5件、複合遺産1件。これにより世界遺産の総数は1,273件、資産を保有する国は173か国となった。ポーランドの港湾都市グディニアの近代都市計画、イタリア中部に残る18〜19世紀の劇場群など、これまで登録が少なかった分野の資産も複数登録され、リストの多様化が進んだと言える。
日本の『飛鳥・藤原の宮都』は、諮問機関から事前にほぼ満点の評価を受けており、本会議でも大きな審議なく登録が決議された。構成資産のひとつには石舞台古墳が含まれる。中国大陸や朝鮮半島との交流の影響を受けながら、律令制に基づく中央集権体制を築いたことを証明する遺産として評価され、日本国内の世界遺産は27件となった。
危機遺産リストは、災害や紛争などで資産の価値が脅かされていると判断された資産を対象とする制度で、今回新たに6件が記載され、オーストリアの「ウィーンの歴史地区」が1件解除された結果、合計58件となった。新規記載には、レバノンの「アメル山の城塞群」、パレスチナの「セバスティア」(いずれも今回の登録と同時に記載)、レバノンの「フェニキア都市ティルス」、ウクライナの「タウリカ半島の古代都市とチョーラ」など、紛争の影響を受けた地域の既存・新規登録資産が含まれている。
次回の第49回世界遺産委員会は、2027年6月27日(日)から7月7日(水)まで、トルコのイスタンブールで開催される予定。
世界遺産アカデミーは、文部科学省が後援する世界遺産検定を主催するNPO法人で、研究員による国内外の世界遺産に関する情報発信も行っている。
第48回世界遺産委員会 現地レポート
会期:2026年7月19日(日)〜29日(水)
開催地:韓国・釜山
議長:イ・ビョンヒョン氏
新規登録:25件(文化遺産19件、自然遺産5件、複合遺産1件)
世界遺産総数:1,273件(173か国)
危機遺産リスト:58件(新規記載6件、解除1件)
日本の世界遺産:27件(今回『飛鳥・藤原の宮都』が登録)
次回委員会:第49回(2027年6月27日〜7月7日、トルコ・イスタンブール)
発表:特定非営利活動法人世界遺産アカデミー
公式サイト:https://wha.or.jp/
新規登録遺産一覧:https://www.sekaken.jp/pdf/202607_new.pdf
研究員による現地レポート:https://www.sekaken.jp/whinfo/blog/


