- 2026.08.19
イタリア外務・国際協力省によると、2026年7月26日(日)、韓国・釜山で開催された第48回ユネスコ世界遺産委員会において、イタリア中部のエミリア・ロマーニャ州、マルケ州、ウンブリア州にまたがる10の劇場からなる「中部イタリアにおける18〜19世紀のイタリア式コンドミニオ劇場群」がユネスコ世界文化遺産に登録された。
登録された劇場群は、18世紀半ばから19世紀後半にかけて中部イタリアで建設された。新古典主義と後期バロック様式の影響を受けた建築が特徴で、桟敷席が連なる多層構造の客席、音響と視認性を重視したホール、平土間席、ホワイエ、ロビー、歴史的な舞台機構などを備える。
これらの劇場は、自治体と市民が資金を出し合って建設・所有する「コンドミニオ(共同所有)」制度によって実現した点が評価された。中小規模の町でも劇場整備を可能にした官民連携の資金調達モデルであり、新興ブルジョワジーに新たな表現の場を提供するとともに、舞台芸術へのアクセスを広い地域に広げたとされている。今回の登録には文化遺産の基準が適用され、資産の登録面積は4.42ヘクタール、緩衝地帯は410.01ヘクタールとなっている。
各劇場は現在も歴史的な町の中心部に位置し、上演や公共イベントの会場として使用が続けられている。地域住民が集う場として、公演活動や世論形成にも役割を果たしてきたとされている。画像の「アクイラ劇場」(Teatro dell'Aquila)はマルケ州フェルモに所在し、今回登録された10施設のひとつ。
今回の登録により、イタリア国内の世界遺産登録数は62件となり、現時点で世界で最も多い件数となっている。
登録名:中部イタリアにおける18〜19世紀のイタリア式コンドミニオ劇場群
(The system of Italian-style condominio theatres of the 18th and 19th centuries in Central Italy)
登録日:2026年7月26日(日)
登録基準:文化遺産(基準iii)
資産面積:4.42ヘクタール
緩衝地帯:410.01ヘクタール
世界遺産リスト通番:1762
イタリア国内の世界遺産件数:62件
【登録された劇場】
エミリア・ロマーニャ州:アンジェロ・マリアーニ劇場(サンタガタ・フェルトリア)
マルケ州:ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ劇場(ファブリアーノ)、ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ劇場(イエージ)、ヴェンティディオ・バッソ劇場(アスコリ・ピチェーノ)、セルペンテ・アウレオ劇場(オッフィーダ)、アクイラ劇場(フェルモ)、ラウロ・ロッシ劇場(マチェラータ)、フェロニア劇場(サン・セヴェリーノ・マルケ)、ブラマンテ劇場(ウルバニア)
ウンブリア州:ヌオーヴォ・ジャン・カルロ・メノッティ劇場(スポレート)
ユネスコ世界遺産センター公式サイト:https://whc.unesco.org/en/list/1762/



