- 2025.11.18
2025年10月30日、ウズベキスタンの都市サマルカンドで第43回ユネスコ総会が開幕した。11月13日まで開催され、40年ぶりに本部所在地のパリ以外で実施される意義深い。
サマルカンドが選ばれた背景には、「東洋と西洋の架け橋」として900年以上の歴史を持つ都市であることが挙げられる。シルクロードの要衝として栄え、独特の建築や文化が今も街並みに色濃く残る。例えば、ティムール朝時代のモスク群や青いタイルの霊廟群が代表的だ。
総会の開催によって世界的な注目がサマルカンドに集まっている。この街が持つ豊かな歴史・文化遺産と持続可能な観光の発信地という側面が改めて浮き彫りになった。都市振興策や文化保存活動が活発化することで、旅行者にとっても“新たな発見の場所”として注目されることだろう。
旅行者視点でサマルカンドの魅力を整理すると、まずは建築そのものの圧倒的な存在感。2001年に世界遺産に登録された「文化交差路サマルカンド」は、シルクロードの要衝として栄え、14世紀ティムール朝時代のイスラム建築の傑作が多数残っていることが評価された。壮麗なモスクやマドラサ(神学校)が立ち並び、鮮やかな青色タイルが特徴的なことから「青の都」とも称される。
次に、食やマーケットなどの体験。ウズベキスタンの代表的な食べ物は、米料理のプロフ、手打ち麺を使ったラグマン、蒸し餃子のマントゥ、肉や野菜を詰めた手作りミートパイのサムサ。主食である平たいパンのノンは、どの家庭でも食べられるほど重要。これらの料理は、スパイスやハーブを使い、素材本来の味を活かしたものが多い。中央アジアを示す多彩なスパイス使いや、ナウルーズ(春の訪れを祝う伝統行事)などの文化体験が街に息づいており、旅行者は単なる観光以上の“文化の旅”を感じられる。
さらに移動面も注目される。ウズベキスタン政府は観光インフラ整備を推進しており、サマルカンド国際空港のアクセス改善や観光案内体制の強化などが進行中である。こうした整備によって、市街地や歴史地区へのアクセスも格段に向上しており、訪問しやすい旅行先としての条件も整いつつある。
最後に、総会という国際イベントの開催地となったことで、サマルカンドは“文化のダイアログの場”としても新たなフェーズに入った。日本を含む世界各国からの注目が集まる中、旅行者にとっては“歴史を肌で感じる旅”に加えて、“今が旬の都市を先に訪れる”という付加価値も備わった。
ウズベキスタン文化観光局
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