- 2025.10.11
短期滞在目的でシェンゲン協定加盟国に短期滞在する非EU国籍者を対象に、新たな出入域システム「EES(Entry/Exit System)」が2025年10月12日から段階的に導入される。EESは、欧州国境を越える際に、出入国に係る情報を電子的に記録するEUの制度。日本を含む非EU加盟国からの渡航者を対象にしている。これにより、空港などの国境検問所においてパスポートに記載されている氏名や生年月日、EESを使用した欧州各国への出入国日・場所、顔写真および指紋(生体情報)、入国拒否情報が電子的にシステムに登録される。そのためEESを事前に登録する必要はない。
シェンゲン協定加盟国の欧州29か国
アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、ルーマニア
駐日欧州連合代表部公式サイト
シェンゲン協定について:https://eumag.jp/article/basicinfo0724a/
EESの導入によって、パスポートへのスタンプが不要になり、より効率的な入国管理が可能になる。半年かけて導入が進められ、この期間の終わりにはすべての国境検問所で完全に導入される見込み。
その後、シェンゲン協定加盟国およびその他の欧州連合(EU)加盟国は、査証免除渡航者向けの欧州渡航情報認証制度「ETIAS(European Travel Information and Authorization System)」を導入する予定で、運用開始時期は2026年第4四半期とされている。その時期に欧州へ旅行する場合、外務省のサイトやETIASの公式サイトで確認しよう。
外務省ETIAS関連ページ:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html
ETIAS公式サイト:https://travel-europe.europa.eu/etias
しいて言えば、ETIASは、米国のESTA(電子渡航認証制度)の欧州版のようなもの。ETIAS導入までまだ1年近く先だが参考までに申請する内容は、1氏名や生年月日、出生地、国籍、自宅住所などの基本情報、2パスポート情報、3現在の就労先または在学先に関する情報、4ETIAS対象国への渡航・滞在計画、5過去の犯罪の有無、戦争・紛争地域への渡航歴、ETIAS対象国における入国拒否や強制送還の履歴といった適格性に関する情報など。オンライン申請1件につき20ユーロで、申請者が18歳未満もしくは70歳以上の場合は無料。また、一度認証されると3年間有効(ただし、パスポートの残存期間が3年未満の場合はパスポートの有効期限日まで)。
参考サイト:
EESとETIASについて:https://www.etias.co.jp/news/ees-entry-exit-system-etias
EUウェブサイト(英語):https://travel-europe.europa.eu/en/ees
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