- 2025.09.04
JTBは、2024年の日本人海外旅行マーケットの実態をまとめた「JTB 海外旅行レポート2025 日本市場における海外旅行のすべて(通称:JTB REPORT)」を発行した。1988年以来、今年で38回目の発行となる。このレポートは、株式会社JTB総合研究所が独自のアンケート調査や各関係機関の統計資料に基づきマーケットの構造や動向を分析・編集。8月19日より公式サイトで販売を開始した。
今回のレポートのポイントは次の通りです。
1.5年ぶりに海外旅行者数1,000万人を突破するも、東アジアでみると回復が遅れる
2024年における海外旅行者数は1,300万7千人で、2019年以来の1,000万人に回復したが、2019年比では35.2%減と、依然として海外旅行の需要回復に時間がかかっている様子がみられる。中国を除く東アジア発のアウトバウンド需要と比較してみても韓国は2019年比で99%、台湾は99%とコロナ禍前の水準まで既に回復していることから、東アジアの中でも日本人の海外旅行者が回復の遅れが鮮明である。
2.20代女性の年間旅行者数は同年代人口の3割と突出
人口に対する海外旅行者数の比率でみた2024年の出国率は10.5%となった。その中で20代女性の出国率(旅行者数÷人口)は29.4%と他の性年代と比較しても突出して出国率が高い。2019年と比較すると出国者人数は少ないものの20代女性が日本人の海外旅行市場を牽引している実態が見える。一方で、2019年には20代女性と同様に海外旅行市場を牽引していた30~50代男性の出国者数の伸び悩みが浮き彫りになっている。
3.若年層は為替レートの抵抗感が少なく、若年層が当面の需要回復を牽引か
2024年の「海外旅行志向調査」では海外旅行に対する為替影響を明らかにするため、為替レートと海外旅行意向に関する調査を実施している。男女ともに30代以上の層では「円高になったら行きたい」との回答は多く、為替による割高感が薄まれば海外旅行経験層が動き出す可能性はある。一方で、30歳未満の男性では「為替レートに関係なく行きたい」、「1ドル150円以上でも希望する旅行があれば行きたい」が計45%。30歳未満の女性では「海外旅行における為替レートの適正がわからない、考えたことがない」が44%で最も多く、「為替レートに関係なく行きたい」、「1ドル150円台でも希望する旅行があれば行きたい」も計30%となっている。こうした観点に鑑みても、若年層は、現在の為替レートに対する抵抗感が少なく、若年層が当面の需要回復をけん引していくものと考えられる。
『JTB 海外旅行レポート2025 日本市場における海外旅行のすべて』
監修:株式会社JTB
編集・発行・販売:株式会社JTB総合研究所
価格:13,200円 (消費税込)
購入:https://www.tourism.jp/store/item/whitepapers/jtb-outbound-report-2025/