- 2025.05.08
ロンドンの目抜き通りともいえるリージェント・ストリートの延長、繁華街のオフィスビルに誕生した、その名も“ツリーハウス”、大人の遊び場のようなホテルだ。「ツリーハウス・ホテル・ロンドン」は、60年代のレトロなオフィスビル1階に大きな野鳥が見守るエントランス、そのビルの上層部7階に渡って、ホテル(95室)とレストラン、バーがある。客室は打ち放しのコンクリート天井などワイルド感に、英国の人気キャラクターのぬいぐるみ、鳩時計などがユニークな居心地を醸し出す。
絹のような肌触りのコットン・シーツやタオル、節水システムを取り入れながら熱帯雨林風を謳う潤沢なレインシャワーなど、上質なアメニティと設備を取り揃えている。子供やペット、ファミリーにも好評なホテルだが、60年代を忍ばせるノスタルジックな雰囲気にビジネスマンの利用も増えているとか。
最上階16階のバー「The NEST(巣)」は、ビンテージ家具と溢れる緑が寛げる、居間のような空間を囲むロンドン360度の展望が人気だ。周囲をぐるりとテラスが取り囲み、季節にかかわらず屋外のテーブルは満席に。15階には地元イギリス産・オーガニック食材を用いた、クリエイティブなメキシコ料理レストラン「Madera」。フード・ロス・ゼロを心掛け、朝食も一品一品丁寧に作られるアラカルト。ワインも英国製だ。また、プラスチックは一切使用されておらす、ストローもアボカド皮を活用している。
夕方に16階のバーで、旬のクランベリーのカクテルと同じ色を帯びたロンドンの高層スカイラインをまったりと楽しむ。バーは夜が更けると活気づき、人気DJが登場、ロンドンで最もにぎわうホットなクラブへと変身する。
早起きをして、15階でミレニアム世代のビジネスマンらを真似て、ボリュームたっぷり、ステーキ付イングリッシュ・ブレックファストに挑戦した。なんだかツリー・ハウスの一晩で若返ったように元気になって、階下のオックスフォード・サーカスの通勤の人波に繰り出していた。
■Treehouse Hotel London:
14-15 LANGHAM PLACE, LONDON, W1B 2QS, UK
https://www.treehousehotels.com/london
■Starwood Hotels
https://www.starwoodhotels.com/
写真
1. 素朴なライトとぬいぐるみが迎えてくれる客室
2. 都会のオアシスのような居心地、The NEST
3. 冬でも人気のルーフ・トップバー、The NESTのテラス席
寄稿記事
ジャーナリスト 篠田香子
《篠田香子 プロフィール》
国際不動産開発を専門に取材する傍ら、世界各地で激減する旅の原風景を私的に綴る。東京とミラノが拠点。著書に「世界でさがす私の仕事」(講談社)など