シドニー市内のタロンガ動物園内のリトリート
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2024年11月21日公開

エリア:オセアニア  > オーストラリア  > シドニー / ジャンル:ホテル・宿泊施設 , 

シドニー中心街の埠頭からフェリーで15分、対岸の丘陵地帯にあるタロンガ動物園(Taronga Zoo)がある。1916年に開業されたこの動物園は、今では28ヘクタール(28万平方メートル)の緑豊かな檻のない環境に、約350種の野生動物が生息する。

ライオンやゴリラなどの猛獣は、深い水路に囲まれた専用のゆったりした敷地でのんびりと暮らしている。放し飼いにされたカンガルーやコアラなどの地元の野生動物は、近寄って餌を与えることもできる。

世界三大美港を背景に野生動物が観察できるとあって、観光スポットでもある。この動物園の中に2019年に開業した、サファリ気分を味わえるラグジャリー・ホテル「ワイルドライフ・リトリート・アット・タロンガ(Wildlife Retreat at Taronga)」(64室、スィート4室)が大人たちに人気だ。低層の3階建て、上質の自然素材を使った客室はもちろん、レストランやラウンジ・バーには、シドニー湾の展望や野生動物が観察できる大きな窓が設けられている。宿泊料金(555AU$、1AU$=約95円)は、朝食、2日分の入園料(1日53AU$)などが含まれる。公営であるため、その収益は自然保護と研究などに充てられている。

日中は家族連れで賑わう動物園も、日が傾くと共に静かになる。ホテルのラウンジ・バーはシドニー湾を背景にした動物たちのシルエットを眺めながら寛ぐ、大人のカクテル・タイムに。夜になると中央に火が点り、街の夜景もロマンチックだ。

レストランは、オーストラリア・ワインと地元の食材を使ったディナー・コースが好評で、シャンペンを開けるシニア・カップルも多い。動物たちと喜寿を祝うテーブルには、蝋燭の火で国花の動物ゴールデン・ワトル(ミモザ)が輝く。

オーストラリアには夜行性動物も多く、宿泊者向けに動物園のナイト・サファリもある。夜が更け、心地よい海風に客室の窓を開けて寝ていると、外で小動物の蠢く気配。喉を鳴らすような柔らかな声はお喋りなポッサムらしい。

年内にはライオンや象のいる近くに、テントのグランピング施設ができあがるという。シドニー市内にあって、ライオンの唸り声や鼾を近くで聞きながら眠れるとは、なんと贅沢なサプライズだろう。

タロンガ動物園
https://taronga.org.au/sydney-zoo

Wildlife Retreat at Taronga | Taronga Conservation Society Australia
https://taronga.org.au/sydney-zoo/wildlife-retreat

写真キャプション
1)キリンの頭越しに、対岸オペラ・ハウスを望む。
2)夕暮れには大人の時間となるラウンジ・バー。中央には火がともる。
3)コアラと一緒に迎える朝。

寄稿記事
ジャーナリスト 篠田香子

《篠田香子 プロフィール》
国際不動産開発を専門に取材する傍ら、世界各地で激減する旅の原風景を私的に綴る。東京とミラノが拠点。著書に「世界でさがす私の仕事」(講談社)など

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