- 2024.12.04
英国政府は、出入国管理システムのデジタル化へ向けて、2024年9月10日に電子渡航認証「ETA(Electronic Travel Authorisation)」の導入スケジュールを新たに発表した。英国およびアイルランド国籍者を除き、英国へのすべての入国者は入国前に 「ETA」または電子ビザ(e-Visa)による渡航許可の取得が必要となる。
日本を含めた非欧州圏の対象者は、2024年11月27日(水)より「ETA」の申請が可能となり、2025年1月8日(水)から日本国籍者は英国入国時に「ETA」が求められる。欧州圏の対象者は2025年3月5日(水)より申請することができ、2025年4月2日(水)以降の英国入国時には「ETA」が必要となる。
「ETA」の申請費用は10ポンド(1970円、1ポンド=197円で換算)で、発行から2年間有効。パスポートの有効期間内であれば複数回の入国が可能となり、1回の入国につき最長6か月まで英国に滞在することができる。 対象者は「英国ETAアプリ」を通じて手続きによる申請が可能となる。
UK ETA app(英国政府公式サイト内)
https://www.gov.uk/guidance/apply-for-an-electronic-travel-authorisation-eta#apply-for-an-eta
英国政府のガイダンスでは、ETA申請が必要な事例として次を挙げている。
・観光、家族や友人の訪問、ビジネス、短期留学を目的とした最長6カ月の英国滞在者
・英国の空港で乗り継ぎおよびトランジットする者(入国審査を通過しない場合も必要)
・クリエーティブワーカービザを所持した最大3カ月間の英国滞在者
・専門的職業(permitted paid engagement)(例:ミュージシャン、プロスポーツ選手、講演者、学者、弁護士など)
「ETA」の導入は、米国やオーストラリアをはじめとする多くの国が採用する国境警備の手法に沿ったものであり、セキュリティを強化しつつ、渡航手続きを円滑に実施する取り組みの一環。
英国での生活や就労、留学を希望する人には、物理的なビザ証明書ではなくデジタル形式での電子ビザ(e-Visa)が発行されており、紛失や盗難、改ざんのリスク軽減にも繋がっている。e-Visaの導入により、物理的な証明書の受け取りや郵送の手間がなくなり、手続きが簡略化された。
現在、英国政府は、生体認証居住許可証(BRP)やスタンプ付きパスポート、ビザラベル付きパスポートなどの物理的書類を使用する在住移民に対し、早急にオンラインアカウントを作成し、e-Visaへ移行することを求めている。多くのBRPは、2024年12月31日に有効期限を迎えるため、対象者へ期限前の手続きを推奨している。
参照:英国政府公式サイト
https://www.gov.uk/government/news/uk-to-expand-digital-travel-to-more-visitors.ja
Image photo credit: Naida Martin on Unsplash