飛騨高山と世界遺産白川郷に隣接する飛騨古川では、毎年9月の第4土曜日（2024年9月28日）に、正午から夜にかけて「きつね火まつり」が開催される。

「きつね火まつり」は、地元商工会が1990年に、町の活性化を図ろうと民話「狐の嫁入り」を現代風にアレンジして始めたもので、御蔵稲荷神社の例祭と併せて行われ、五穀豊穣や家内安全、商売繁盛などを願うお祭り。

飛騨古川の中心地にある飛騨古川まつり広場や瀬戸川と白壁土蔵街など、情緒ある町並みエリアを主な会場として、狐の花嫁花婿役を主役に神社参拝や嫁入り行列、祝いの儀式などが展開される。最大の見どころは夜の「嫁入り行列」。人力車に乗った花嫁花婿を中心に、松明を灯した狐の行列が古い町並みを練り歩き、その光景は奥ゆかしく幻想的でおとぎ話を見ているような錯覚に陥る。行列を見た人は、五穀豊穣や家内安全、商売繁盛などの願いが叶えられると言われている。地元住民も観光客も誰でも狐に扮して参加できるので、まつり広場で狐メイクを無料でしてくれる。

花嫁花婿役は毎年全国公募で選出される。今年の花嫁花婿役は、愛知県西春日井郡豊山町の小栗紗代さんと小栗凌作さんが選ばれた。昨年10月に入籍し、４月に飛騨古川でウェディングフォトを撮った。飛騨古川と巡り会えた縁に感謝の気持ちを込めて応募したと話している。

「きつね火まつり」概要
日　時：2024年9月28日（土）12時00分～21時00分（毎年９月第４土曜日）
会　場：岐阜県飛騨市古川町市街地（飛騨古川まつり広場ほか）
主　催：きつね火まつり実行委員会
スケジュール：
12:00　祝いの儀・きつね火マルシェ＆メイクなど（まつり広場）
13:30　御蔵稲荷神社例祭
15:00　お披露目人力車出発
15:10　花嫁花婿写真撮影（瀬戸川沿い）
18:00　嫁入り行列
20:00　結びの儀（まつり広場）
イベント詳細ページ（飛騨市公式観光サイト）

飛騨市は、人口約22,000人の小さな市で周囲を北アルプスなどの山々に囲まれ、総面積の約94％を森林が占める。豊富な自然資源のほか、ユネスコ無形文化遺産である古川祭・起し太鼓、ノーベル物理学賞の受賞に寄与した「スーパーカミオカンデ」を始めとする宇宙物理学研究施設、大ヒットアニメ映画「君の名は。」のモデル地となった田舎町の風景などで知られている。

飛騨市公式観光サイト　https://www.hida-kankou.jp/