- 2025.02.07
毎年12月5日は「トルココーヒーの日」である。トルココーヒーは、トルコの伝統文化の中でも特別な位置を占めている。2013年に日本の和食と同じくユネスコの世界無形文化遺産に「トルココーヒーの文化と伝統」が登録された。
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トルコでは、ユネスコ無形文化遺産に登録された日が12月5日であることから「トルココーヒーの日」として祝われているわけだが、トルココーヒーは、丁寧な淹れ方、香り高い風味、独特の泡立ち、そしてその演出は「一杯のコーヒーには40年の思い出が宿る」と言われるほど、トルコのおもてなしや交友関係においてかけがえのない要素となっている。
コーヒーが初めてトルコにもたらされたのは、オスマン帝国のスルタン・スレイマン大帝(1520-1566)の時代。16世紀半ばには、イスタンブルに大衆的なコーヒーハウスができ始めた。トルココーヒーの人気が高まるにつれ、商人たちは国境を越えてコーヒー豆を取引するようになる。やがて、その味と伝統的な調理法によってトルココーヒーはヨーロッパ中の人々を魅了することになる。
トルココーヒーが他のコーヒーと異なる最大の特徴は、その挽き方の細かさ。豆を極細に挽き、水から熱湯になるまでじっくりと煮出して作るため、カップの底に粉の層が沈む。また、トルココーヒーの作り方は何世紀にもわたって受け継がれているのでその淹れ方の一貫性にも特徴がある。それから、砂糖にデンプンとナッツ(クルミ、ピスタチオ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ココナッツ)を加えて作るトルコの菓子「ロクム(ターキッシュデライト)」が添えられているのも特徴のひとつ。
コーヒーを飲んだ後、カップをソーサーに被せて、願い事をしながらカップを回し、その後カップを逆さまにして流れて乾いた粉の形を占う「コーヒー占い」もある。この可愛らしくファンタジーのような伝統もまた、トルコの素晴らしい文化なのである。
日本でトルココーヒーが楽しめる場所一例
THE MOSQUE COFFEE(東京・下北沢)
https://www.instagram.com/mosquecoffee/