「ウィーン・ミュージアム」本館が3年の大規模改修工事を経て12月6日オープン
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2023年10月13日公開

エリア:ヨーロッパ  > オーストリア  > ウィーン / ジャンル:アート・カルチャー・歴史・ミュージック , 

先史時代から現代に至るウィーンの歴史を網羅する市立博物館「ウィーン・ミュージアム」本館が3年の大規模改修工事を経て2023年12月6日にグランドオープンする。

ウィーン・ミュージアムは1959年に設立された市立博物館組織で、2023年9月現在、21の博物館・史跡を運営している。なかでもカールスプラッツ広場に位置する「ウィーン・ミュージアム・カールスプラッツ本館」は中核施設であり、単に「ウィーン・ミュージアム」と呼ぶ場合はこの本館を指す。

城壁があった頃の市街の模型、グスタフ・クリムトやエゴン・シーレの絵画、オットー・ワーグナーの建築デザイン図などを有し、約2000年間のウィーン市史を網羅する本館は、所蔵品増加と老朽化を理由とした改修・拡張工事のため、2019年2月4日に一時閉館した。

今回の改修工事により、博物館の床面積は6900m2から1万2000平方m2と約2倍になった。このうち約3,000平方m2が常設展示会場に、1,200平方m2が企画展示会場に使用される。また、博物館のエネルギー効率も大幅に改善し必要な電力をほぼ自給できる。

リニューアルの主要ポイント:
外観上の最大の特徴は、通称「フローティング・フロア」。装飾を削ぎ落とした打ち放しコンクリート素地仕上げで、企画展会場として利用される。フローティング・フロアと既存の建物の間には一般開放のテラスが設けられ、1739年に完成したバロック様式のカール教会を見渡す。テラスにはカフェとイベントスペース、瞑想スタジオも併設。

既存の3階建ての建物はすべて常設展の展示室となり、1階(古代ローマ時代)から3階(現代)へと上がりながら約2000年間のウィーンの歴史を俯瞰する観覧ルートが設けられる。

周辺地域との親和性を高めるため、エントランスには開放感のあるガラスのパビリオンを、博物館前には広場とテラス付きレストラン(モダン・ウィーン料理)を設けた。

かつてアトリウムと呼ばれていたエリアは、高さ25mの中央ホールに改修され、全長10m、重さ1.7tのクジラの模型「ポルディ」をはじめ、19世紀の華麗な市長用馬車、シュテファン大聖堂の模型、18世紀に造られたドンナーの泉の彫刻などの大型オブジェを展示。

今後の主な予定
2023年12月6日:グランドオープン・常設展公開
2024年2月1日~4月28日:特別展『ヨハン・ベルンハルト・フィッシャー・フォン・エルラッハ』
博物館に隣接するカール教会をはじめ、シェーンブルン宮殿、オーストリア国立図書館などを設計したハプスブルク宮廷建築家の回顧展
2024年5月22日~10月13日:特別展『分離派:クリムト、シュトゥック、リーバーマン』
1900年前後にウィーン、ミュンヘン、ベルリンで展開された分離派(セセッション)運動に焦点を当てる

ウィーン・ミュージアム・カールスプラッツ本館(Wien Museum Karlsplatz)
公式サイト:https://www.wienmuseum.at/en/locations/wien-museum-karlsplatz

【お問い合わせ】

risvel facebook