- 2024.12.13
オーストリアの都市ザルツブルクは、ミュージカル映画史上最も成功した「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年公開)の舞台として世界中に知られている。2015年、映画の公開から50周年を迎えるにあたり、ロケ地のザルツブルクでは様々な記念行事が予定されているので、映画のロケ地巡りを兼ねてザルツブルクを訪れみたい。
サウンド・オブ・ミュージックは実話に基づいた作品。ウィーンに生まれた主人公のマリアは、ザルツブルクのベネディクト会修道院で修行することを強く望んでいたが、尼僧院長は妻を亡くしたトラップ男爵の7人の子供を世話するために彼女を家庭教師として派遣する。その後マリアは男爵の妻となり、1930年代初頭にファミリー合唱団を設立。1938年にオーストリアがドイツに併合、一家はオーストリアから逃げることを余儀なくされ、唯一の収入源だった音楽活動に頼ることとなる。この音楽活動によって最終的にはアメリカで足がかりを得ることになった。1941年にバーモント州ストウに農場を購入し、長い年月をかけ「トラップ・ファミリー・ロッジ」を増築。現在もトラップ・ファミリー・ロッジは客足の途切れないホテルになっている。
巡りたい映画のロケ地
ノンベルク尼僧院(Nonnberg Abbey)
ジュリー・アンドリュース扮する「マリア」が歌った場所。ザルツブルク旧市街の南メンヒスベルクの丘の中腹に建つベネディクト派の修道院
ミラベル庭園とミラベル宮殿(The Palace of Mirabell)
マリアと子供たちが「ドレミの歌」を歌った場所。ミラベル宮殿のバロック庭園はザルツブルクでも最も美しい記念撮影の場所
レジデンス広場とレジデンス広場の噴(Residence Square)
ツェントルムの旧市街中心に位置し、中央には「アトラス神の噴水」がある。マリアがノンベルク尼僧院からトラップ家の屋敷に向かう途中にレジデンス広場をバスで横断し「自信を持って」を歌っている
フェルゼンライトシューレ(The Rock Riding School)
トラップ一家が別れの歌を、トラップ男爵がエーデルワイスの歌を披露した場所。1437人の観客を収容できる舞台が岩に囲まれオープンエアの劇場
聖ペーター墓地(St. Peter’s Cemetery)
ドラマティックな逃亡シーンのロケ地。大きな文字盤のある時計塔が特徴的な聖ペーター教会の裏にある墓地。花々が咲く世界で最も美しく古い墓地のひとつ
レオポルズクローン城(Leopoldskron Castle)
映画では湖に面した正面玄関がトラップ男爵邸として使用された。ザルツブルクでも最も美しいロココ建築でレオポルド大司教により1731年に建築
サウンド・オブ・ミュージックのガゼボ(Gazebo)
現在はヘルブルン宮殿の庭園内にあるガゼボ。撮影当時はレオポルズクローン城に設置されていた。有名なシーンの「もうすぐ17才」はここで撮影された
フローンブルク宮殿(Frohnburg Castle)
中庭と表玄関が映画シーンに使用。17世紀に大司教のカントリーハウスとして建築