- 2026.06.18
明治30年に創刊された日本で最も歴史ある英字新聞「ジャパンタイムズ(The Japan Times)」は、持続可能な地域の実現に取り組む日本の自治体を認定・紹介するプロジェクト「The Japan Times Destination Region 2026」に、愛媛県内子町を選定した。アドバイザーには経済地理学者の藻谷浩介氏を迎え、地域の文化・歴史的背景の継承、地域資源を活用した持続可能な経済・コミュニティの追求、そして地域課題解決への貢献の3つの視点から評価している。ちなみに第1回(2025年)は山形県山形市が選ばれている。
愛媛県の中央部に位置する内子町は、歴史的な町並みや伝統産業が現在も生活の中に息づき、地域の人々によって丁寧に受け継がれてきた点に特徴がある。江戸後期から明治時代にかけて和紙や木蝋(もくろう)の生産で栄えた商家町。ハゼの実から採取される天然ワックス・木蝋の一大産地として繁栄した面影が、八日市・護国地区の約600mの通りに今も残る。伝統的な造りの町家や豪商の屋敷が軒を連ねるこの地区は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、住民主体の景観保全活動によって世代を超えて守られてきた。また、大正5(1916)年に建てられた芝居小屋「内子座」は国の重要文化財に指定され、地域文化の継承拠点として機能している。
地域資源の活用も選定の評価を高めた。和紙や木蝋といった伝統産業の継承に加え、農業では柿・ぶどう・桃など豊富な果樹栽培が盛ん。農産物直売所「内子フレッシュパークからり」は地域農業の流通拠点として機能しており、棚田・屋根付き橋・水車小屋など美しい里山の景観はサイクリングや体験型観光の場となっている。こうした多様な地域資源が生活と産業の両面で現役であり続けている点が、単なる保存を超えた価値の再定義として評価された。
人口約1万5,000人、面積の約8割を山林が占める内子町は、地方が直面する過疎化・少子高齢化への対応を住民主導で進めてきた先進事例でもある。行政依存ではなく住民主体のまちづくりモデルは、同様の課題を抱える国内外の地域への示唆を持つ。ジャパンタイムズを通じた英語での国際発信がその知見を世界へ広める機会となり、2026年11月14日(土)・15日(日)には「Satoyama実践者交流会」が内子町で開催される予定で、国内外の関係者が集まる場となる。
The Japan Times Destination Region 2026
公式サイト:https://sustainable.japantimes.com/destination-region-2026
内子町公式観光サイト:https://www.we-love-uchiko.jp/


