- 2025.11.14
成田空港からパラオへ直行便による新たな空の扉が開かれた。ユナイテッド航空は2025年10月29日から、東京/成田(NRT)〜パラオ(ROR)間の定期直行便の運航を開始した。これにより、これまで日本から定期便がなかったパラオへ、乗り継ぎなしでアクセスできるようになった。
UA143(水曜/土曜) 東京(NRT) 5:55 p.m. → コロール (ROR) 10:50 p.m.
UA142(木曜/日曜) コロール (ROR) 11:25 a.m. ← 東京(NRT) 4:00 p.m.
機材にはボーイング737-800型機(座席数166席、ビジネスクラス16席)を使用する。2026年末までにはボーイング737 MAX 8への機材更新も予定しており、新機材には、全座席背面の個人用モニター、全席頭上に大型手荷物棚、有料Wi-Fi、足元スペースが広い座席、ワイヤレスBluetooth接続、明るい雰囲気の内装設備が導入され、これまで以上にモダンな機内空間を提供する。
この直行便の開設は、日本から“手つかずの楽園”と称されるパラオまでの所要時間を、これまでの約8時間前後(グアム等経由)から約5時間へと大幅に短縮するもの。日本とパラオの観光・文化・ビジネス交流に新たな可能性をもたらすとして期待されている。
就航を記念して、成田空港では鏡開きのセレモニー、パラオ国際空港では到着を祝うウォーターサルート(放水)や文化的パフォーマンスが行われた。パラオ政府観光局も、「日本とパラオの架け橋になる」と述べているほか、パラオ共和国のスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領が出席し、日本語で「アリガトウゴザイマシタ」と締めくくる場面も見られた。
今回の新路線開設は、ユナイテッド航空が太平洋域で展開するネットワーク拡大の一環。日本発着の路線強化とともに、世界各地からの乗り継ぎ利便性も高め、旅行者にとって“近くて遠かった”パラオが、より手軽に訪れられる目的地へとなる。
パラオは、500以上の島々が連なるミクロネシア海域の島国で、透明度の高い海、豊かなサンゴ礁、色あざやかな魚たちを間近に体験できることで世界的に知られている。かつて日本の統治下であったことから、今でも日本語由来の言葉も多く存在し、日本文化の影響もみられる。成田からパラオまでの直行ルートが新たに定着すれば、個人旅行やリゾート滞在を希望する日本人旅行者の選択肢が広がる。航空ニュースとしてだけでなく、旅行トレンドとしても注目すべき一歩と言える。



