- 2025.05.14
フィジー政府観光局は、地球と地域社会に優しい新しい観光の形として、旅行者が未来を守る、持続可能な観光プログラム「ロロマ・アワー(Loloma Hour)」を2025年4月に発表した。
「Loloma(ロロマ)」とは、フィジー語で「愛」「思いやり」「優しさ」を意味し、フィジーの人々が日常生活の中で大切にしている価値観。「ロロマ・アワー」は、この「ロロマ」の精神をもとに、旅行者がフィジー滞在中に自然環境や文化、地域社会へ貢献する1時間を過ごすことを提案するプログラムとなる。このプログラムは、フィジーが国を挙げて取り組む持続可能な開発目標の一環として、フィジーの豊かな自然や文化遺産を守るため、各ホテルのサステナビリティ活動を連携・強化することを目的に設計された。持続可能な行動を「手軽に・身近に・楽しく」取り入れられるよう工夫されており、エコ意識の高い旅行者にとってフィジーの魅力を高めるだけでなく、文化や環境保全に力を入れる観光地としての評価をさらに高めることにもつながる。
「ロロマ・アワー」では、旅行者がサンゴの植え付けやマングローブの再生、野生動物の保護活動、地域の子どもたちとの交流や伝統文化の体験などのアクティビティに1時間参加することで、単にフィジー観光を楽しむだけでなく、フィジーの人々や自然と深くつながる時間を持つことによって、旅行者も観光の要素の一つとして持続可能な観光に携わってもらい、旅行者自身にとっても深い学びと喜びをもたらし、旅の思い出をより豊かで意義あるものにしたいと考えている。
旅行者は、フィジー各地のロロマ・アワーに参加するリゾートなどを通じてロロマ・アワーに参加できる。活動内容は、「野生動物の保護」「地域社会への還元」「サンゴ礁の保護」「海岸線の保護」の4つに柱に基づいて構成されている。
野生動物の保護:ガイドとの自然散策、海洋調査、絶滅危惧種の保護
地域社会への還元:文化のストーリーテリング、伝統的なバスケット編み体験、村での交流プログラム
サンゴ礁の保護:サンゴの植え付け、サンゴ礁の修復、海洋生息地の構築
海岸線の保護:マングローブの植樹、植林、ビーチクリーンアップ
現時点では、20を超えるフィジー国内のリゾート・オペレーターが旅行者に40以上の持続可能な体験を提供。フィジー政府観光局では、「ロロマ・アワー」におけるインパクトを「旅行者が貢献した時間数」で測定し、初年度は5,000時間の達成を目指している。今後も参加施設やアクティビティを拡大しながら、持続可能な観光モデルとして「ロロマ・アワー」の浸透を図っていく。
ロロマ・アワー(英語)
https://www.fiji.travel/loloma-hour
フィジー政府観光局
https://visitfiji.jp/