- 2025.04.30
岐阜県飛騨市のユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財「古川祭」が2025年4月19日(土)・20日(日)に飛騨市中心市街地で開催される。土曜日・日曜日と両日共に休日の開催となるのは平成26年(2014)以来11年ぶり。
全国でも珍しい“静”と“動”の祭り
古川祭は、気多若宮神社での厳かな「神事」に時代絵巻の「神輿行列」、そして絢爛豪華な「屋台行列」の“静”の行事と、さらし姿の男らがもみ合う勇壮な「起し太鼓」の“動”の行事で構成される伝統的な祭り。「起し太鼓・屋台行事」はユネスコ無形文化遺産に登録され、国の重要無形文化財にも指定されている。
大迫力の「起し太鼓」
「起し太鼓」は“動”の行事。19日20:30頃、まつり広場で祝い唄「若松様」の大合唱とともに、大太鼓の乱れ打ちによる「打ち出し」で「起し太鼓」が始まる。高張提灯と丸子提灯を持った老若男女・子どもらの賑やかな提灯行列に先導され、「起し太鼓」の行列が20日午前0時過ぎまで市街地を練り歩く。通りの辻々から突っ込んでくる「付け太鼓」と呼ばれる小太鼓との激しい攻防と、その勇壮さは、数ある日本の祭のなかでも迫力ある祭行事として知られている。また、付け太鼓をくくりつけた約3.5mの棒を垂直に立て、その上で繰り広げる曲芸「とんぼ」も見どころ。
「夜祭」も開催
古川祭の屋台は、起し太鼓と対照的に“静”の行事。19日の朝、9台の豪華絢爛な屋台がそれぞれの屋台蔵から曳き出され、それぞれの町内を巡る。翌20日は、早朝からまつり広場に曳き揃えられる。獅子舞・からくり人形・子ども歌舞伎の奉納もあり、その様はまるで時代絵巻を紐解いているかのように艶やか。そして祭のフィナーレを飾る「夜祭」が始まる夕刻になると、屋台は提灯を灯しながら厳かに町内を曳行され、宵闇に照らし出される豪華なその姿は、日中とは違った幽玄さを感じさせ、2日間に渡りおこなわれた祭の余韻を残しながら静かに幕を下ろす。
「古川祭」概要
開催日:2025年4月19日(土)・20日(日)(毎年4月19日・20日の固定日)
会 場:岐阜県飛騨市古川町市街地
内 容:4月19日(土)【試楽祭】神社神事、神輿行列、屋台行列、起し太鼓
4月20日(日)【本楽祭】神輿行列、屋台行列、夜祭
詳 細:飛騨市公式観光サイト https://www.hida-kankou.jp/event/408
飛騨市は人口約2万2,000人の小さな市。周囲を北アルプスなどの山々に囲まれ、総面積の約94%を森林が占めるなど豊かな自然に恵まれている。また、豊富な自然資源のほか、ユネスコ無形文化遺産である古川祭・起し太鼓、ノーベル物理学賞の受賞に寄与した「スーパーカミオカンデ」を始めとする宇宙物理学研究施設、大ヒットアニメ映画「君の名は。」のモデル地となった田舎町の風景など、多彩で個性豊かな地域資源の宝庫。