ウィーン市観光局と欧州宇宙機関、シュトラウス生誕200周年『美しく青きドナウ』を宇宙へ送信
期間:2025年6月1日のみ
[リスヴェル編集部]2025年04月 2日公開

エリア:ヨーロッパ  > オーストリア  > ウィーン / ジャンル:アート・カルチャー・歴史・ミュージック , イベント・フェスティバル , 

ウィーン観光局と欧州宇宙機関(ESA)は、オーストリアの作曲家ヨハン・シュトラウス2世が1867年に発表した『美しく青きドナウ』を光速で宇宙に送信するイベント「ワルツ・イントゥ・スペース(Waltz into Space)」を2025年5月31日に実施する。これは、ウィーン生まれの名曲を宇宙空間に送信する異色ミッション。好きな音符を1つ選んで“アンバサダー”になれる一般参加型のイベントでもある。

このイベントはヨハン・シュトラウス2世生誕200周年記念事業の一環であり、ウィーン交響楽団が演奏する『美しく青きドナウ』をリアルタイムで信号化して、5月31日21時30分(日本時間6月1日4時30分)にウィーンから宇宙へ送信され、太陽系外を飛行中のNASAボイジャー1号に23時間後に到達させる計画。特設サイトとウィーン市観光局のInstagramで生中継される。

あなたの選んだ音符が宇宙へ
そしてこのイベントには、先着1万3,743人が宇宙大使(アンバサダー)として参加することができるのだ。特設サイトにて『美しく青きドナウ』を構成する1万3,743個の音符のうち1つを選び登録。アンバサダーには個別の証明書が授与され、『美しく青きドナウ』が宇宙に送信される際に名前が一緒に送信される。参加費用は無料。すでにアンバサダーになった著名人には、ミハエル・ルートヴィヒ(ウィーン市長)、ヨーゼフ・アシュバッハー(欧州宇宙機関事務局長)、ブライアン・W・クック(スタンリー・キューブリックの元助監督)、カルメン・ポスニグ(ESA予備宇宙飛行士)など。

信号は約1.34秒で月の軌道に到達し、4分20秒後に火星の軌道に、37分後に木星の軌道に、4時間後に海王星の軌道に、17時間後には太陽系の境界であるヘリオポーズに到達したのち太陽系を離れ、送信開始から23時間3分後にボイジャー1号に追いく。その後、『美しく青きドナウ』はボイジャー1号を越え、宇宙空間を飛行し続ける。

ヨハン・シュトラウス2世が1867年に発表した『美しく青きドナウ』は、1968年のスタンリー・キューブリック映画『2001年宇宙の旅』の冒頭で宇宙船が浮遊するシーンに採用されると、その強烈な印象によって宇宙の讃歌“スペース・アンセム”のイメージが浸透した。その後2001年にスペースシャトル・ディスカバリーが国際宇宙ステーションにドッキングした際にも再生されたことで、<美しく青きドナウ=宇宙>のイメージは強化された。

「Waltz into Space」イベント概要
日時:2025年5月31日21:30~(日本時間6月1日午前4:30~)
実施団体:ウィーン市観光局、欧州宇宙機関(ESA)、ウィーン交響楽団
特設サイト:https://space.vienna.info/ja-JP


イベント予告動画
<『美しく青きドナウ』はなぜボイジャー号に搭載されなかったのか>
https://www.youtube.com/watch?v=6Zt8OtLS6Ks

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