- 2025.04.30
山形県飯豊町とJR東日本新潟支社では、「宝もの」プロジェクトとして、共同で山形県南部飯豊町にある「白川湖の水没林」の情報発信と魅力づくりに取り組んでいる。
JR東日本で展開しているブランド「TOHOKU Relax」のポスターに水没林を取り上げたり、JREMALLチケット限定「カナディアンカヌープライベートツアー」を設定(https://event.jreast.co.jp)したり、白川湖の水没林シャトルバスを運行したり、また、水没林カヌーツアー(https://www.iide3.net/)も実施している。加えて、「白の水没林」「緑の水没林」を空から眺める 気球フライト体験(https://yamagata-ex.com/)や水没林×キャンプ「水没林ビューサイト」を開設(https://shirakawasou.com/camp/)し、白川湖の水没林を巡る散策ツアー、水没林のライトアップなどを開催している。
白川湖の水没林とは、一言でいうと「雪どけ水の湖に浮かぶ林」である。豪雪地帯の日本百名山の飯豊連峰から、春になるとダム湖である白川湖に大量の雪どけ水が流れ込み、湖が満水を迎えると、シロヤナギの木々があたかも水の中から生えているかのような幻想的な光景が広がる。3月下旬から5月中旬まで、山形県飯豊町(いいでまち)の白川湖で春の2か月間だけ見ることができる神秘的な風景なのである。そして、5月中旬ころから雪どけ水の流入が減り、田植えに向けて白川ダムが雪どけ水の放流を開始すると、徐々に湖の水位が下がり、水没林は林の姿に戻る。
3月下旬~4月中旬 白の水没林
シロヤナギの木々が芽吹く前は湖岸の残雪とともに白に包まれる静寂の世界
4月中旬~5月中旬 緑の水没林
シロヤナギが芽吹きはじめ、湖面の色もより一層濃い緑色に輝き、川鳥のさえずり
白川湖の水没林は、昨年、サステナブルな観光地作りが評価され、観光庁・文化庁・スポーツ庁による「スポーツ文化ツーリズムアワード2024」を受賞した。白川湖の水没林は、飯豊山と雪どけ水など「自然の恵み」と、水田耕作やダムによる利水など「人の営み」の絶妙なバランスにより、固有の景観が生み出されている。この絶妙なバランスを守り、美しい水没林を守り続けるため、地域の有志によるフィールド整備やクリーンナップといった水没林の保全の取組みを行っている。
白川湖の水没林は、1981年の白川ダム竣工後、30年ほど前には存在していたものと思われるが、SNSでの拡散に伴い、ここ5年で急速に注目を浴びるようになった。近年はGW期間を中心に、通常の散策での観覧に加え、カメラ愛好家、キャンパー、カヌーツアー参加者など様々な楽しみ方が広がっている。
白川湖の水没林公式サイト:https://www.iikanjini.info/suibotsurin