- 2024.11.05
江戸時代後期の読本作者・滝沢馬琴が28年の歳月を費やして書き上げた日本ファンタジー小説の原点と称えられる「南総里見八犬伝」を実写映画化し、物語を生み出す苦悩と葛藤と共に作者の目線で描く『八犬伝』が2024年10月25日(金)から全国で公開される。
1842年に完結してから200年近くの時を超え、今なおマンガ、アニメ、映画、舞台、歌舞伎と多彩なジャンルで二次創作が行われるなど、現代のエンターテインメントに多大な影響を与え続けている。編集部のM氏が小学生だった昭和の高度成長期、NHKで放送された連続人形劇「新八犬伝」(全464話)に魅了され、友人と一緒にカラフルなビー玉を8つの珠(たま)に例え、おもちゃの刀を腰に下げて八犬士を真似て遊んでいたほどこの物語の人気は高かったようだ。この映画の製作には、連続人形劇「新八犬伝」でテレビに釘づけになった世代のスタッフも数多く参加して、その衝撃を進化した最高峰の技術と結実させ、新たな映像作品として完成させた。
その傑作小説をダイナミックかつ緻密なVFXを駆使して実写映画化。里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命をアクションとVFXで描いた「八犬伝」=【虚】の世界と、物語を生み出した馬琴の感動の実話【実】の2つのパートが交錯するエンターテインメント超大作が誕生した。
<STORY>
江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌)を持つ八人の剣士が運命に導かれるよう集結し、壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語。北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、息子の嫁が「手伝わせてほしい」と申し出る──。失明してもなお書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとは。
『八犬伝』 (2024年製作/日本/149分)
原 作:『八犬伝 上・下』山田風太郎(角川文庫刊)
監督・脚本:曽利文彦
出 演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木 仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久 創、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実、栗山千明、中村獅童、尾上右近、磯村勇斗、大貫勇輔、立川談春、黒木華、寺島しのぶ
製 作:木下グループ
配 給:キノフィルムズ
公式サイト:https://www.hakkenden.jp
©2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.
映画の聖地巡礼:
「国宝・姫路城」
里見家の滝田城の庭や廊下、最後の決戦の舞台となる伊皿子城の正門など、姫路城そのままの姿を活かせるシーンを撮影。
「現存する日本最古の芝居小屋である香川県の金丸座」
鶴屋南北の「東海道四谷怪談」 が上演される中村座という設定。馬琴と北斎が観劇する客席は、当時の雰囲気を出すためにCGは使わずに様々な装飾を施した。
「東京都文京区の深光寺にある馬琴の墓」
馬琴の妻のお百の墓として登場。実際の墓は歳月の経過によって墓石に欠けなどがあるためCGで修正。息子の宗伯とその妻のお路の墓も隣にあり、現在もお参りに来る人は多い。