- 2024.12.04
2024年7月、“街道の女王”の異名を持つ「アッピア街道(Via Appia)」がイタリアの60番目のユネスコ世界遺産に登録された。
アッピア街道は、古代ローマ人が建設した街道の中で最も古く、ローマ街道の中で最初に着工された最も重要な街道である。紀元前312年に古代ローマの高位政務官職のひとつケルソン(監察官)のアッピオ・クラウディオ・チエコによりローマ(ラツィオ州)を起点に、カプア(カンパニア州)まで敷設され、のちにバジリカータ州を通り、アドリア海に面した港湾都市のブリンディシ(プーリア州)まで延長された。アッピア街道は緑に囲まれ、火山玄武岩の敷石が特徴で、全長およそ580キロメートルの石畳の道で、「すべての道はローマに通ず」という言葉を生んだ道路網、ローマ街道の一部でもある。新しいアッピア街道(Via Appia Nuova)が1784年に旧道に平行して敷設されたため、アッピア旧街道(Via Appia Antica)とも呼ばれる。
当初は、軍事的・戦略的な道として計画され、アジアに向かって敷設された。アッピア街道は後に沿道の都市の発展に寄与し、新しい集落ができたり、農業生産と貿易を促進させたり、ローマ帝国の成長と発展を支えていた。
アッピア街道では、ラティーナ街道とアウレリアヌスの城壁が交わるところに位置するラティーナ門、サン・セバスティアーノ門、ドミネ・クオ・バディス教会、ローマ水道橋公園、チェチリア・メテッラの墓、カタコンベなど、重要な遺跡を見学することができる。また、この古代の街道を歩きながら歴史を辿るウォーキング・コースとしての整備も進められている。
アッピア旧街道考古学公園公式サイト(イタリア語)
https://bit.ly/parcoarcheologicoappiaantica
イタリア政府観光局(ENIT)
https://www.italia.it/en/lazio/rome/appian-way