- 2024.10.08
1873年に開業したサンフランシスコの象徴的存在のケーブルカー(San Francisco Cable Car)が今年で開業150周年を迎えた。現役かつ世界最古の手動運転の循環式ケーブルカーであり、サンフランシスコ市営鉄道に属する公共交通網の一部を構成している。
急坂の多いサンフランシスコにおいて、スコットランド生まれのエンジニアのアンドリュー・スミス・ハリディ氏が馬車に代わる輸送機関として考案し、1873年8月2日に導入された。急な坂を越える実用的な手段として都市交通に革命をもたらし、この初期のケーブルカーはすぐに成功を収め、サンフランシスコの成長と発展に重要な役割を果たした。
サンフランシスコのケーブルカーは、カリフォルニア・ストリートを東西に走るカリフォルニア・ストリート線、ダウンタウンからフィッシャーマンズワーフ方面へ南北に走るパウエル・メイソン線とパウエル・ハイド線の計3つの路線で運行。サンフランシスコのケーブルカーは、唯一動く国定歴史建造物に指定され、市民の交通手段として、また人気の観光アトラクションとして現在も愛されている。
サンフランシスコ名物のケーブルカーが2023年に開通150周年を迎え、記念の特別乗車券を販売。2023年12月30日まで通常1回の乗車券が8米ドルのところ、カリフォルニア・ストリート線のみ1日乗車券を5米ドルで購入できる。このパスはMuniMobileから購入でき、追加料金を支払うことなくカリフォルニア線内のどこでも終日乗り降りできる。
カリフォルニア・ストリート線では、10月28日までの毎週土曜日午前11時15分から午後7 時の間、最古かつ最大のケーブルカー「ケーブルカー19」、通称「ビッグ19」に乗車することができる。このケーブルカーは1888 年から 1906 年まで運行していたが、150周年を記念し77年ぶりに復活した。
また、10月29日までの毎月第1日曜日、午前10時30分から午後7時まで、1891年製のケーブルカー42号車に乗車し、ハイド・ストリートの坂を上り下りすることができる。この車両は1906年当時の姿に復元され、手作業で金箔を貼るなど細部まで手が加えられている。1954年以来、定期運行されていない貴重な体験ができる。
150周年記念ページ
https://www.sfmta.com/celebrating-150-years-cable-cars