パリのエコな車輪に癒されて
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2023年08月16日公開

エリア:ヨーロッパ  > フランス  > パリ / ジャンル:観光情報・観光局・現地便り , 

ルーブル広場一番地…パリを訪れるたびにこの友人宅に滞在してきた。目の前にルーブル美術館が鎮座している風景は、ここ30年余ほとんど変化がない。おそらく、ナポレオンが都市計画に勤しんだ2世紀前ともそれほど変わっていないのだろう。

しかし、ルーブル美術館の北側、セーヌ川と並行に3kmほど続くリヴォリ通りは、2年前とすっかり様変わりしていた。目抜き通りでありながら、車道がほとんどなくなり、中央が自転車専用道に。1レーンだけの車道はほとんどバスやタクシーに限られている。

昔のままに瀟洒な建物が連なる通りを、休日はサイクリストがのんびりと遊んでいた。が、平日の通勤時間帯は自転車ラッシュだった。自転車の前後に子供を乗せて送り迎えする逞しい親達も多く、まるで、数十年前の中国のよう。

この新しいパリの風景を改めて観ようと思い立つ。友人のパリジャン三姉妹の生活に魅せられるばかりの滞在で、今までちゃんとパリ観光をしたことがなかったのだ。かろうじて、一度だけ向かいのルーブル美術館にはいったが・・・

Co2削減で人気の電動自転車タクシーをトライすることに。中央の自転車道を走れるので、一車線しかない車道よりも効率的な市民の足にもなっているらしい。運転手の案内で、気儘に名所を巡ることができるので観光にも最適だ。

お勧めのクレープ屋に寄ってもらい、それをほおばりながら小一時間のツアーへ。シートはオープンな造りなので、パリの街がとても身近に感じられる。エキゾチックな食物の匂い、団欒の声や音楽が溢れる裏道を自由に走り回るのは、パリの風にでもなったよう。

マジカルな旅をしたような気分で、ルーブル広場に戻った。石畳の路地もとことこ走ったせいか、翌日はちょっとお尻が痛い。帰途空港までは、ロンドン・タクシーの車両を使ったハイヤー、CaoCaoを呼んだ。自転車の波を縫いながら、ゆったり贅沢な乗り心地はこれからの長い飛行へのストレスを癒してくれた。

パリ観光・会議局 https://parisjetaime.com

写真
1. リヴォリ通り。休日は自転車が我が物顔
2. 電動自転車タクシー、料金も割安
3. 車両の大半はEV ©️Cathy Dubuisso

寄稿記事
ジャーナリスト 篠田香子


《篠田香子 プロフィール》
国際不動産投資を専門に取材する傍ら、世界各地で激減する旅の原風景を私的に綴る。香港記者クラブ所属、著書に「世界でさがす私の仕事」(講談社)など

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