ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）で話題となったチェコ代表の選手たち。日本との試合でも楽しんでいる様子がテレビに映し出されたのも記憶に新しい。チェコは、中央ヨーロッパの中心に位置し、「ヨーロッパのハート」とも呼ばれており、様々な国の交易路上に位置していたこと、かつてオーストリア・ハンガリー帝国下にあったこと、またボヘミア王国の王がフランスやスペインなどのルーツを持っていたことなどの要因から、周辺国の影響を受けて豊かな食文化が発展した。

20世紀の後半、チェコ料理は共産主義独裁体制下におかれ、レストランや居酒屋が国有化されたことにより、チェコ人の献立や食生活の慣習に悪い影響を及ぼしたが、1990年代にチェコは再び民主主義のヨーロッパの一国に戻り、グルメの世界もまた多様になった。

チェコ政府観光局は、美食の国チェコの食に特化したパンフレット「おいしい！チェコ」（44ページ）を制作し、オンラインで公開。チェコ料理について歴史やレシピなどを紹介している。
PDFダウンロード：https://pdf.czechtourism.com/czech_cuisine_jp/

また、チェコ政府観光局では、春先にはチェコで様々な食に関するイベントが開催されるのでその一部を紹介している。

「オロモウツのチーズ祭り」
2023年4月15日～16日
オロモウツケー・トヴァルーシュキ(olomoucke tvaruzky)は、脂肪分を抜いた牛乳から作る熟成チーズで、欧州の原産地名称保護を受ける特産品。このお祭りでは、オロモウツが位置するハナー地方の民俗音楽集団による伝統音楽演奏を楽しんだり、地域のマイクロブルワリーの醸造したビールと共にチーズを楽しんだりすることができる。(オロモウツケー・トヴァルーシュキ写真：rogiol ol. / shutterstock.com)

ジンジャーブレッドのお祭り・パルドゥビツェ
2023年5月8日
東ボヘミアエリアのパルドゥビツェの名産品ジンジャーブレッド(チェコ語でペルニーク)は、地理的保護遺産としてヨーロッパ委員会の認可を受けている。独自の博物館が存在し、祝日まである。パルドゥビツェの城館にある2つの中庭で開かれる祭典は今年で13回目。多彩で多様なジンジャーブレッド、蜂蜜、木製品、その他の製品のマーケット、軽食、ジンジャーブレッドの展示、ジンジャーブレッドの早食い競争などが行われる。

キュウリの祭典・ズノイモ
2023年8月4日
南モラヴィア州のズノイモでは、8月初旬にキュウリの祭典が開催される。シンプルなキュウリのピクルスから、地元レストランの洗練されたキュウリ料理まで、多様なキュウリを味わうことができる。（キュウリの祭典写真：Znojemska Beseda)