「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」開幕
期間:2023年1月26日から 2023年4月9日まで
[リスヴェル編集部]2023年01月30日公開

エリア:ヨーロッパ  > オーストリア / ジャンル:アート・カルチャー・歴史・ミュージック , 

世紀末を経て芸術の爛熟期をオーストリアの首都ウィーンで活躍した画家、エゴン・シーレの展示会「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」が2023年1月26日(木)から東京都美術館(東京・上野)で開幕した。

ウィーンにあるレオポルド美術館が東京都美術館では初めて、 エゴン・シーレの作品50点と、彼と同世代のグスタフ・クリムト、 オスカー・ココシュカ、コロマン・モーザー、アルビン・エッガー=リエンツ、 リヒャルト・ゲルストル、アントン・コーリグ等、オーストリアを代表する世紀末芸術ユーゲントシュティールや表現主義のアーティストの作品約70点を合わせて約120点の作品を紹介する。また、レオポルド美術館収蔵コレクションのハイライト作品を30年以上ぶりにアジアで披露する展覧会でもある。

エゴン・シーレ(1890〜1918)は、わずか28年という短い生涯の間に鮮烈な表現主義的作品を残し、美術の歴史に名を刻んだ画家。16歳でウィーンの美術アカデミーに入学も保守的な教育に満足できず、退学して新たな芸術集団を立ち上げる。当時、ウィーンの画壇の中心にいた分離派のグスタフ・クリムト(1862~1918)に認められ、その装飾的な画風に影響を受ける。シーレは、表現豊かな線描と不安定なフォルム、鮮烈な色彩、見る者に直感的な衝撃を与えるという作風に加え、孤独と苦悩を抱えながら、ナイーブな感受性を持って人間の内面や性を生々しく描き出した。

レオポルド美術館は、ウィーンのミュージアムクォーターに位置し、1870年から1930年代のモダニズムを中心に、オーストリアの現代美術の膨大なコレクションが収蔵されている美術館で、エゴン・シーレのコレクションは世界で最大。50年以上にわたりエリザベスとルドルフ・レオポルト夫妻により収集された5,000点以上の作品を含め、8000点以上の作品を所蔵する。絵画だけでなく、家具や工芸品、写真、ガラス、陶磁器などの作品も所蔵し、ウィーンの生活を多面的に知ることができる美術館でもある。

ちなみに今年は、ウィーンで万国博覧会が開催された1873年から150年目の節目となる。日本が初めて万博に参加し、日本の文化を世界に発信した場でもある。このことは19世紀後半からヨーロッパで流行したジャポニスムにつながり、その影響を受けたクリムトと同様に、シーレもジャポニスムの傾向が見られる作品もある。

シーレは1918年、28歳の若さで世界的に大流行したスペイン風邪にかかりこの世を去った。1918年は第一次世界大戦終結の年でもあり、およそ100年を経た現在、新型コロナウイルス感染症のパンデミックとロシアのウクライナ侵攻と重なる思いである。

レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才
会 期 : 2023年1月26日 (木) ~ 4月9日 (日)
会 場 : 東京都美術館(東京・上野公園) 東京都台東区上野公園8-36
開室時間: 9:30~17:30 金曜日は20:00まで(入室は閉室30分前まで)
休室日 : 月曜日
公式サイト:https://www.egonschiele2023.jp/index.html

【お問い合わせ】

risvel facebook