- 2025.05.01
イタリア北西部リグーリア州の州都ジェノヴァ(Genova)の中心地にあるドゥカーレ宮殿では、2022年10月6日から2023年1月22日までの期間、バロック美術を代表する世界的な画家、ピーテル・パウル・ルーベンスの偉大なる才能と彼とジェノヴァとの関係性をテーマにした展覧会を開催する。
2022年は、ルーベンスがジェノヴァ市内の邸宅群をスケッチし、画集としてまとめた「ジェノバの邸宅群(“Palazzi di Genova”)」が1622年に出版されてから400年という記念すべき年にもあたり、今回の展覧会はジェノヴァ市、ドゥカーレ宮殿文化財団、およびイタリアの美術書の出版社エレクタ社主催のもと開催される。
フランドル地方で栄えた美術の流派「フランドル派」であるルーベンスは、17世紀のバロック絵画の代表的な画家であり、1600年から当時の芸術界の巨匠達の作品に触れるべくイタリアを訪れ、マントヴァ公ヴィンチェンツォ1世ゴンザーガの宮廷に迎え入れられ、裕福貴族との関係性を構築した後、様々なチャンスを得て1600から1607年の間にジェノヴァに何度も滞在した。
今回の展覧会では、現在ジェノヴァにある作品に加え、ヨーロッパ各国やイタリアの他の都市からのコレクションも合わせ、150以上の作品が公開される予定。今回の展覧会のハイライトの一つが、イギリスのバスコット・パーク邸宅のファリンドン・コレクション所蔵のヴィオランテ・マリア・スピノーラ・セッラ婦人の肖像画で、今回の展覧会のために邸宅の壁から外され、修復作業を加えられた上で展示される。また、イタリア国内では初展示となる、推定27歳当時の若々しいルーベンスの自画像も見逃せない。個人コレクターがアントワープ市立博物館、ルーベンスハウスに長期貸出しをしている作品として、今回特別に1604年前後に作品が誕生した国へと帰還することになった。
展覧会以外でもジェノヴァ市内では多くのルーベンスの作品に出会うことができる。ドゥカーレ宮殿から程近いジェズ教会にある2つの祭壇画、「聖イグナチオ・デ・ロヨラのとりつかれた人の救済の奇跡(1620年作)」と「キリストの割礼(1605年作)」、また、スピノーラ宮国立美術館の「ジョヴァンニ・カルロ・ドーリアの騎馬肖像」などがその一例。
ドゥカーレ宮殿 公式サイト(英語)Genova Palazzo Ducale
https://palazzoducale.genova.it