伊豆にもお遍路がある!江戸時代から甦れ「伊豆八十八ヶ所霊場」
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2022年08月26日公開

エリア:アジア  > 日本  > 静岡 / ジャンル:名所旧跡・観光施設 , 

お遍路は、阿波(徳島県)・土佐(高知県)・伊予(愛媛県)・讃岐(香川県)に点在している弘法大師(空海)ゆかりの八十八ヶ所の霊場を訪ねて四国を巡礼する旅が知られており、すべての行程を歩くと、全長約1400キロメートル、40日以上はかかると言われている。

静岡県の伊豆半島にも「伊豆お遍路」があることを意外と知られていない。江戸時代から1200年以上の歴史があり、総行程444キロメートル(4が合わさり、シ・アワセお遍路)の伊豆八十八ヶ所(伊豆半島の13市町村)の霊場参拝を復活させようと発足したプロジェクト「伊豆88遍路」によって、再び知られるようになった。

伊豆の八十八ヶ所霊場の発見は、昭和50年代に第28番札所の「大江院」から明治時代の納経帳が見つかった事から、伊豆観光霊跡振興会(現在の伊豆霊場振興会)が発足し調査が始まった。第6番札所の「金剛寺」からは、やはり明治時代の全札所が彫られている木版や札所からご本尊が彫られている木版が見つかり、明治20年代には多くの参拝者が訪れていた事が伺えた。そして、第21番札所の「龍澤寺」の参道に「伊豆八十八ヶ所霊場参拝」と書かれた、天保十三年(1842年)の石碑が見つかった。更に第49番札所の「太梅寺」から第50番札所の「玄通寺」に向かう参道は埋もれていたが調査により発見された。

江戸時代に誰がどうやって伊豆に八十八ヶ所霊場を作り、多くの人たちが参拝していたと思われるが、どうやって伊豆八十八ヶ所霊場を広めたのか、謎に満ちている。

お遍路は、弘法大師(空海)を慕って信者が参拝した事から始まった。お遍路はお寺の行事でも無く修行でもない。寺院の行事は本堂にあがり、ご住職が読経するが、お遍路は本堂に上がらずに参拝する事が作法とされている。お遍路の心得として大切なことは、「大切な人の幸せを願うこと」にある。マナーを守りながら、寺院に入る際には笠や帽子を外すなどの配慮も忘れずに。日常生活では、心を静かにして「大切な人の幸せを願うこと」の機会は少ないかもしれないが、参拝する事で、他人の幸福と自身の幸福が重なった時、心から癒されるのだろう。お遍路の醍醐味は、(1)大自然に癒される、(2)日本を好きになる、(3)花鳥風月を楽しむ、ということでもある。

「伊豆88遍路」の旅 https://izu88.net
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=lQVwXzyMxJ4

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