2021年に追加されたイタリア3件の世界遺産
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2021年09月10日公開

エリア:ヨーロッパ  > イタリア / ジャンル:名所旧跡・観光施設 , 

2021年7月にイタリアに新たな3件のユネスコ世界遺産が登録された。これにより、イタリアの世界遺産は合計58件となり、世界遺産保有国別ランキングでは世界第1位(2021年8月現在)である。

14世紀パドヴァのフレスコ画(パドヴァ市ヴェネト州)
14世紀パドヴァで描かれた統一主題の一連のフレスコ絵画群が世界遺産に登録された。教会や礼拝堂などパドヴァの8つの建物に残る作品群から構成されている。1302年から1397年の間、様々な依頼主や芸術家によって描かれたにも関わらず、それぞれのフレスコ画は様式と内容に統一性がある。壁画の歴史に革命的発展の始まりを示したとされるジオットが描いたスクロヴェニ礼拝堂の一連のフレスコ画をはじめとした著名な芸術家の作品が含まれている。彼らが描いた一連の作品は、1世紀の間にフレスコ画芸術が新しい創造的推進力と空間表現の新解釈に沿って発展してきたかを示している。

ボローニャのポルティコ郡(ボローニャ市エミリア・ロマーニャ州)
ポルティコは、建物の一部のように上部が屋根になったアーケードや柱廊のことで、ボローニャ市内全体の総延長は62㎞にも及ぶ。登録されたポルティコは市内全体のポルティコではなく、建築的・歴史的に多様性を持つ12のグループのポルティコで構成されているもの。12世紀から現代に至るまで、ポルティコはボローニャの特徴と言える建造物で、様々な素材やタイプがあり、石やレンガ、鉄筋コンクリートでできているものもあるが、それらは登録の対象ではない。ポルティコは、建物の居住空間増設のため誕生し、屋付き歩道として商業活動に最適の場となり、屋外での公的・私的な人々の交流の空間としてボローニャのシンボルとしてコミュニティ的側面も重要視されている。

ヨーロッパの大温泉保養地(共同登録:モンテカティーニ・テルメ市トスカーナ州)
ヨーロッパ7か国11の温泉保養地が登録され、イタリアのモンテカティーニ・テルメがイタリアからの登録として含まれる。温泉地の多いイタリアの中でもモンテカティーニ・テルメの街は、20世紀初頭イタリアの温泉文化の象徴ともいえる街として知られており、テルメとはイタリア語で「温泉・スパ」を意味する。この地の温泉水はすでに古代ローマ人に高く評価されていた。最初に温泉施設が設置されたのは、1773年から1783年にかけて浴場の建設を命じたトスカーナ大公ピエトロ・レオポルドによるもの。施設と共に、ニレの木が並ぶ広い通りも建設され、後に街のシンボルとなった。20世紀初頭、モンテカティーニは入浴の街から温泉街へと変化し、スイス、ボヘミア、ドイツの温泉街を参考にしながら、テルメ・タメリチ、テルメ・エクセルシオール、市民公園など街の象徴的な建物を建設した。

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