2021年に追加されたドイツ5件の世界遺産
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2021年09月 3日公開

エリア:ヨーロッパ  > ドイツ / ジャンル:名所旧跡・観光施設 , 

2021年7月にドイツに新たな5件のユネスコ世界遺産が登録された。これにより、ドイツの世界遺産は合計51件となり、世界遺産保有国別ランキングでは、イタリア、中国に次いで世界第3位(2021年8月現在)である。

今回新たに登録された5件のドイツ世界遺産は、マチルダの丘芸術家村(ダルムシュタット)、欧州11の温泉保養都市群(ドイツはバーデン・バーデン、バート・エムス、バート・キッシンゲン)、ローマ帝国の国境線/ニーダーゲルマンのリーメス、ユダヤ人共同体遺産群(シュパイヤー、ヴォルムス、マインツ)、ローマ帝国の国境線/ドナウのリーメス

ダルムシュタット
ペーター・オルブリッヒが設計した婚礼の塔はダルムシュタットの町のシンボルとしてひときわ目を惹く。この塔からはライン川とマイン川が流れる平野の絶景を望み、塔内部は芸術家村を創設した23人の作品が常設展示されている。プラタナスの木立が広がる広大な公園には多数の彫刻やオブジェがあり、その奥には大きな泉とロシア正教の美しいチャペルが見える。公園を取り囲む芸術家たちの豪邸は、新しい芸術が生まれようとしていた20世紀初頭の雰囲気を今に伝えている。

欧州11の温泉保養都市群
ヨーロッパを代表する温泉保養都市温泉をベースにした保養地は1700年から1930年にかけて熟成されていった。休養やリフレッシュのための施設だけではなく、文化や社交を楽しめる施設が作られ、町として形を整えていく。ヨーロッパ7か国にある11か所の保養地が国境を越えたプロジェクトを実現させヨーロッパを代表する保養地としてユネスコ世界遺産の認定を受けることになった。ドイツからはバーデン・バーデンとバート・エムスとバート・キッシンゲン。

ユダヤ人共同体遺産群
マインツ、シュパイヤー、ヴォルムスのヘブライ語の頭文字を組み合わせたSchUM都市と呼ばれる町は、ヨーロッパでのユダヤ教の発祥地と言われている。今回世界遺産に登録されたSchUM都市には、シュパイヤーのユダヤハウス、ヴォルムスのシナゴーグ地区、ヴォルムスとマインツの旧ユダヤ人墓地がある。これらの町の歴史は、数世紀におよぶユダヤ人の暮らしぶりを映し出している。

低地ゲルマン境界線 ドナウのリーメス
ライン川に沿った古代ローマ帝国との境界線の一部は400kmにも及ぶもので、ラインラント・ファルツ州のラインブロールからノルトライン・ヴェストファーレン州を経て北海に面するオランダのカトヴァイクまで続いている。ローマ帝国領と自由ゲルマン領を隔てていた自然の境界線は川で、44 の町村では宮殿や要塞や教会にローマ文化が色濃く反映されている。ドナウ境界線(西部)約600kmに及ぶ西部の境界線は、現在のバイエルン州のバート・ゲッギンからオーストリアを経てスロバキアまでドナウ川の流れに沿って作られた。

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