2021年世界文化遺産に登録されたヨーロッパの偉大なスパ・タウン
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2021年08月 6日公開

エリア:ヨーロッパ / ジャンル:スパ・ビューティー , 

ヨーロッパの7つの国にある11の町で構成されている「ヨーロッパの偉大なスパ・タウン(The Great Spa Towns of Europe)」が2021年7月25日に第44回ユネスコ世界遺産委員会によって世界文化遺産に登録された。

ユネスコ世界遺産の公式サイトによると、今回世界文化遺産に登録されたヨーロッパの7つの国にある11の町は、バーデン・バイ・ウィーン(オーストリア)、スパ(ベルギー)、フランチシュコヴィ・ラーズニェ(チェコ)、カルロヴィ・ヴァリ(チェコ)、マリアンスケー・ラーズニェ(チェコ)、ヴィシー(フランス)、バート・エムス(ドイツ)、バーデン・バーデン(ドイツ)、バート・キッシンゲン(ドイツ)、モンテカティーニ・テルメ(イタリア)、バース市(イギリス)。これらの町は、いずれも天然の鉱泉を中心に18世紀初頭から1930年代にかけて発展したヨーロッパの国際的な温泉文化の証人であり、国際的リゾートの出現につながった。

これらの町は、天然鉱泉の資源を利用し、入浴や飲用に実用できるように設計されたクルハウスやクルサール(治療専用の建物や部屋)、ポンプ室、飲用ホール、ギャラリーなどの温泉建築物のアンサンブルを中心とした都市のタイポロジーに影響を与えた。また、関連施設として、庭園、会議室、カジノ、劇場、ホテル、別荘などがあり、さらにスパ特有のサポートインフラも整っている。これらの施設は、絵のように美しい風景の中で、管理されたレクリエーションと治療の環境を含め、全体的に都市と調和されている。そのため、人間の価値観と医学、科学、温泉学の発展との重要な交流を体現している。

オーストリアの都市バーデン・バイ・ウィーンが今回の世界遺産に含まれているが、オーストリア政府観光局によると、オーストリアの世界遺産としては11番目(うち文化遺産10件、自然遺産1件)となる。バーデン・バイ・ウィーンは首都ウィーンから南に約25kmに位置する。古くローマ時代から温泉が利用されていきたが、19世紀初頭に皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が夏の滞在地として以来、急速な発展を見せた。ウィーンの上流階級や芸術家が多く温泉保養にやってきたが、中でも最も著名な音楽家はベートーヴェンとモーツァルト。楽聖たちの作品群の中でもあまりに有名なバーデンゆかりの曲は、ベートーヴェンの『交響曲第9番』とモーツァルトの教会音楽『アヴェ・ヴェルム・コルプス』として知られている。

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