カナダのサステナブルなワイン造り
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[リスヴェル編集部]2021年06月 2日公開

エリア:カナダ・アラスカ  > カナダ / ジャンル:観光情報・観光局・現地便り , 

カナダのワイン産業は、経済効果や雇用創出、観光収入となる重要な産業のひとつだが、現在カナダのワイン業界は環境を保護するだけでなく、土壌を回復させ、地下と地上の二酸化炭素を除去して環境を再生するサステナブルなワイン造りに目を向けている。

カナダではほとんどの州と準州でワインを生産しているが、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州とオンタリオ州が最大のシェアを占め、BC州には228のワイナリー、オンタリオ州には183のワイナリーがあり、オンタリオ州はカナダの総ワイン量の約70%を生産している。

カナダのワイン産業の歴史はまだ浅いが、BC州のオカナガン渓谷の砂漠のような暖かく乾燥した気候から、古代の海底の体積物からなる土壌のノバ・スコシアの沿岸まで、地理的な多様性によって育まれた多様な品種がカナダワインの特徴。また、ブドウが枝になっている状態で自然に凍りつく寒冷な気候では世界最大のアイスワインが生産されている。

オンタリオ州
オンタリオ州には、ナイアガラ半島、エリー湖の北岸、プリンスエドワード郡の3つの主要なワイン生産地域があり、ブドウの生育期間に気温が変動するため芳香のある比較的ライトボディのワインを生産している。

ナイアガラエスカープメントの上に位置する「フラットロック・セラーズ」は、ワインに必要以上に人の手を加えないようにすると同時に、エネルギー消費を削減し、サステイナブルなワイン醸造を実現するワイナリー。地熱による加熱と冷却、オゾンを使用した樽の洗浄など、持続可能な慣行がワイン製造と建物全体に組み込まれている。

オタワの田園地帯にある「KINヴィンヤード」は、暑い夏の太陽と石灰岩の上に粘土ロームでできた土壌の恩恵を受け、ナパバレー・スタイルでブルゴーニュのワインを生産。屋上の太陽光発電システムにより年間11トン以上の温室効果ガスを相殺している。

ブリティッシュ・コロンビア州
BC州のブドウ畑の84%はオカナガンバレーにある。広大な地域には多様な生態系が含まれ、それぞれの品種の成育に適した異なる土壌と気候条件を備えている。成育のピークシーズンにはナパバレーよりも1日あたり2時間以上長く日光が降り注ぎ、暖かく乾燥した気候になる。

ケロウナの「サマーヒル・ピラミッド・ワイナリー」は100%有機ワインを生産し、バイオダイナミック農法、パーマカルチャー、有機栽培を実践している。ブドウ畑と湖の景色を眺めることができる敷地内のビストロでは、地元の食材を使ったオーガニック料理を楽しめる。

トンプソンバレーの「モンテクリーク・ランチ・ワイナリー」は、持続可能性を向上させるために数多くのエコ認証を取得。常在するミツバチから供給された蜂蜜の生産や、餌になる植物を求めて鶏が移動し、残された糞が土壌にやさしい窒素とリンに富む肥料となるチキントラクターなどを実践している。

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