200年の歴史を持つ金沢市のひがし茶屋建築を改装してリニューアルオープン
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2020年07月31日公開

エリア:アジア  > 日本  > 石川 / ジャンル:名所旧跡・観光施設 , 

石川県金沢市東山のひがし茶屋街にある「金澤しつらえ」が7月23日にリニューアルオープンした。今年はひがし茶屋街が形成された文政3年(1820年)から数えて200年の節目になることから、貴重な茶屋建築を蘇らせ、世代を超えて受け継いでいってほしいという願いが込められている。

金澤しつらえは、藩政時代の街並みを残すひがし茶屋街に位置し、茶屋街のシンボル「見返り柳」を正面に臨む美しい茶屋建築。ひがし茶屋街が形成された約200年前に由来を持つ建物「旧諸江屋」で、往時は茶屋街でもトップクラスの人気を誇る一軒であった。あでやかな弁柄塗りと木虫籠(きむすこ)の外観は、代表的な茶屋建築としてその様式美を今に伝えており、現在は金沢市指定保存建造物である。

今回の改装では、この地域の財産である建物を次世代に残すため、耐震構造等を大幅に強化し、内装も一新した。茶屋の建築文化の保全・継承は大前提だが、今回の改修では顧客の利便性を考慮し、床を平らにして靴のまま見られるように配慮している。また、壁を一部取り外し、見通しのよい広々とした空間を創り出した。さらに、200年の歴史を大切にし、各年代の改修工事の名残を尊重している。例えば、かつて別の場所に使われていた欅一枚板をカウンターに再利用したり、土間の2階部分の床材を1階のフローリングに利用したりするなど、部材も大切に受け継いでいる。

1階はギャラリー・ショップとして、九谷焼、加賀友禅、山中漆器、金沢箔、金沢漆器、加賀象嵌、大樋焼、加賀繍など、石川県ゆかりの伝統工芸を扱い、ショーケースに入れない美術館スタイルで、重要無形文化財保持者(人間国宝)や文化勲章受章者、伝統工芸士をはじめとする選りすぐりの作家の作品を展示している。

2階には寛ぎの場としての茶房「やなぎ庵」を設け、茶屋街を見渡す心地よい景色を楽しめる。かつての接待場所の座敷から、往時の茶屋遊びに興じた人々と同じ景色を臨むことができる。メニューは、伝統工芸品の茶碗で楽しむ抹茶と金沢の和菓子のセットのほか、季節のフルーツを使ったパフェなど多彩なメニューを用意している。

金澤しつらえ
所在地  : 〒920-0831 石川県金沢市東山1丁目13-24
電話番号 : 076-251-8899
営業時間 : 10:00~18:00 (※「茶房 やなぎ庵」の営業は17:00まで)
定休日  : 第3水曜日、1月1日(7月・8月は無休)
公式サイト: https://kanazawa.hakuichi.co.jp/

【お問い合わせ】

risvel facebook