新たに加わった2件のドイツの世界遺産
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2019年08月28日公開

エリア:ヨーロッパ  > ドイツ / ジャンル:名所旧跡・観光施設 , 

2019年7月に開催された第43回世界遺産委員会でドイツの世界遺産に新たに「エルツ山地鉱業地域」と「アウクスブルクの水管理システム」の2件が加わり、ドイツの世界遺産総登録数が46件となった。

エルツ山地(チェコ語でクルスナホリ)の鉱業地域
エルツ山地は、ドイツのザクセン州とチェコの国境にまたがる中級山地で、エルツというドイツ語は鉱石を意味する。この地に中世に興った鉱業は20世紀に入るまで存続し、特異な文化景観を作り、数々の技術革新をもたらし、他の欧州の鉱山の手本となった。それは今も景観や見学のできる鉱山、博物館といった構成要素22件を通じて体験でき、国境を跨ぎドイツ側に17件、チェコ側に5件ある。

エルツ山地と観光
エルツ山地は木製玩具と民芸品、特にクリスマス飾りで知られ、そのモチーフは鉱業に関連している。くるみ割り人形、煙出し人形、鉱夫人形、天使の楽団、クリスマスピラミッド、キャンドル置き等々。ドイツ最古のクリスマスマーケットが開かれるザクセン州の州都ドレスデン、その南65㎞にあるエルツ山地のクリスマス玩具の村ザイフェン、エルツ山地鉱業都市の地方色豊かなクリスマスマーケットなど。またクリスマス前に行われる鉱夫パレードはユネスコ世界無形文化財に登録されている。アナベルク・ブッフホルツの町の文化景観は世界遺産構成要素のひとつで、クリスマスマーケット(2019年11月23日~12月23日)は有名。1100人が行進する鉱夫パレードはエルツ山地最大である(2019年12月22日)。なおザイフェン村でも鉱夫パレードがある(2019年12月14日)。

アウクスブルクの水管理システム
アウクスブルク市の今日までの発展は、革新的な技術を取り入れて水を管理し、持続可能に活用し続けていることによる。構成要素は22の物件から成り、運河水路システム、15世紀から17世紀の給水塔とポンプ場、水冷利用の市食肉業、芸術価値の高い3つの大きな噴水、今も稼働する水力発電所など。人と社会が水の力から恩恵を受け、清潔な飲料水の重要性を伝える遺産である。

アウクスブルクと観光
イタリアのポー河岸のオスティーリアからアウクスブルクへとヴィア・クラウディア・アウグスタ街道が通り、中世には交易街道としてにぎわい、今はロマンチック街道として知られる。アウクスブルクはルネッサンスから近世にかけて世界で最も重要な貿易と金融の中心都市として繁栄し、豪商フッガー家は欧州の政治をも左右した。その時代の繁栄を映す名所旧跡(市庁舎、マキシミリアン通り、噴水、シェッツラー宮殿など)が観光スポットとなっている。

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